証券マンのノルマはきつい?種類・目安・未達だとどうなるか【2026年版・元証券マン談】

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ノルマがあって厳しいと言われる証券会社。実際にどんなノルマはあるのかまで解説している記事は少ない印象です。

そこでこの記事では、証券マンのノルマについてお伝えします。

証券会社にノルマがある理由からノルマの種類まで説明しますので、証券会社への就職や転職を考えている方はご参考ください。

先に結論

  • 証券マンのノルマは「手数料/募集物/純増/資格」の4種類。きついのは主にリテール営業
  • 「月いくら」の具体額は会社規模・支店・年次で決まり、公開情報で確認できる一律の数字はありません(本文の目安参照)
  • 大手各社は2017年頃から順に「個人の収益(手数料)目標」を廃止し、預かり資産の純増などで評価する体系に移行中。ただし2023〜25年の口コミでは「ノルマはないが目標はある」「未達だと詰められる」という声が続いています
  • 未達で即クビという公開情報はなく、評価・配属・職場での立場に効いてくる、というのが実態に近い言い方です
目次

証券マンにノルマがある理由

証券マンにノルマがある理由は、単純に費用を賄うためです。

証券会社は営利企業であるため、費用をカバーしながら利益を追求する必要があります。赤字を出すことは許されないので、ノルマという目標を作ることで利益の最大化を図っています。

それでは、証券会社では具体的にどのくらいの費用が発生しているのでしょうか。業界最大手の野村證券の費用を見てみましょう。

出所:野村ホールディングス「2022年3月期決算説明資料」

営業部門だけ見ても、野村證券は年間約2,700億円という莫大な費用(金融費用以外の費用)がかかっています。

最新の2026年3月期でも、ウェルス・マネジメント部門(旧営業部門)の費用は約2,839億円、収益は約4,879億円と、依然として巨額のコストを収益で上回る構造です(野村ホールディングス 2026年3月期決算説明資料)。

当然ながら、この費用を上回る売上を作らないといけないので、手数料をはじめとするノルマが存在するのです。

証券マンのノルマの種類

証券マンに課されるノルマには主に4つの種類があります。

【証券マンのノルマの種類】

  • 手数料ノルマ
  • 募集物消化ノルマ
  • 純増ノルマ
  • 資格取得ノルマ

手数料ノルマ

多くの方がイメージされるノルマは、証券業界では収益(数字、予算)と言われています。

証券マンのノルマが厳しいと言われるのは、リテール営業(個人営業)でのノルマがとても厳しいからです。

個人客の売買手数料が証券会社の収益源となっている以上、営業店が力を入れて収益をあげようとするのは自然でしょう。

ところでこの面倒なノルマですが、具体的どのくらい計上しないといけないのでしょうか。

これは主に所属している証券会社の規模、支店の規模、そして年次によって決まっていきます。順に見ていきましょう。

【証券マンのノルマの決まり方】

  • 所属する会社の規模
  • 配属される支店の規模
  • 年次

会社の規模でノルマは変わる

所属する証券会社の規模によって、求められる収益の大きさが異なります。

例えば業界最大手の野村證券と、地場の証券会社では、会社を維持するために必要な費用は異なります。

加えて、大手であれば社員への期待は大きくなるため、ノルマも当然厳しくなります。その分大手の方が待遇もいいですから、これは自然でしょうね。

ちなみに、証券会社間での勉強会(合コン)で聞いた話ですが、同じ5年目の営業員でも業界最大手と中堅というだけでノルマが倍異なりました。

業界最大手の方は8,000万/年で、中堅の方は4,000万/年でした。

この違いを深掘りすると、例えば日本株の売買であれば、概ね売買代金の1%弱(売り買いで2%弱)、外株であれば日本株の倍ぐらい、そして投資信託であれば概ねどの商品も3%前後の手数料を頂戴できます

8000万円/年だと700万円/月ですから、月20営業日と考えると1日で35万円の手数料を稼がないといけません。

そうすると日本株であれば4000万円前後、投信であれば1200万円分の売買をして頂く必要があります。(信託財産留保額を除けば概ね投信は解約手数料がかからないので、手数料の発生は購入時に限定されます)

このように、所属している証券会社の規模でノルマは異なり、ノルマによって販売しないといけない商品の金額も異なります。

支店の規模でノルマは変わる

ノルマの変動要因としては支店の規模も挙げられます。

同じ証券会社でも営業成績の良い支店と悪い支店は当然あり、明確に扱いが異なります。

例えば成績上位部店をA格店、下位部店をD格店としたら、A格店社員とD格店社員のノルマは大きく異なります。

首都圏の方が多くのノルマを達成しないといけないイメージがありますが、地方都市の支店の方がノルマがきつい会社もあります。札幌や浜松とかですね。

年次でノルマは変わる

ノルマは年次によっても変わります。年次が上の方であれば、基本的にはより多くのノルマをこなさないといけません。

もちろん営業の才能やスキルなどはセンスもありますから、単に年次が上がれば比例して収益がつくれるとは限りません。

とはいえ、会社からしたらノルマを設ける上で参考になるのが年次です。会社側の要望には応えたいものですが、実際無茶苦茶なノルマを要求していきます(笑)

しかし、いくらノルマに厳しい証券会社と言えども、若手(多くは1年目まで笑)のうちはそこまでノルマに厳しくありません。

怠けることはいくらでもできますが、数年後の厳しさを見据えて、若手のうちからきちんと勉強しておくことを強く推奨いたします。地獄を見ることになるので(笑)

募集物消化ノルマ

証券会社では、募集物と呼ばれる商品が存在します。

募集物とは、一定期間の中で会社として必ず売り切らなければならない商品のことです。募集物の例としては、新規公開株(IPO)、公募増資(PO)、新発債、仕組債など様々あります。

募集物は、証券会社の投資銀行部門が資金調達ニーズのある企業から依頼を受けて組成・引き受けた商品です。そのため、募集物の販売未達成なんてことは許されないのです。

業界では、募集物を販売して募集残高を消化していく作業を「消込」と言いますが、当然こちらにもノルマがあるので、日々の手数料とは別に募集物消化ノルマにも同時に追われることになります。

純増ノルマ

純増ノルマとは、証券業界では預かり資産の増加のことです。預かり資産とは、文字通りお客様から預けて頂いている資金の総額です。

預り資産をいくら増減させたかが証券マンの評価対象となります。言い換えると、お客様からいかに現金を引き出せたかが評価されるのです。

金融商品を買って頂く場合、ほとんどのケースでは保有商品の一部を売却して購入資金に充当していただきます。

もちろんここでの売却手数料を稼ぐことも営業マンとしては重要ですが、単に売って買ってもらうだけだと預り資産自体は増えませんので、現金で買ってもらうことを提案するのです。そうすれば買い付けて頂いた分(購入金額)だけ預かり資産が増え、評価に繋がります。

証券マンを評価する際、お客様にどのくらい信頼されているかの指標として、預り資産はとても有用です。人事考課する際には次の等式が成り立ちますからね。

預り資産が多い=お客様に信頼してもらっている=仕事意識&勉強意欲が高い

仕事熱心な証券マンには会社はボーナスで報いてくれますから、証券マンもやりがいは大きいですね。正直もっとボーナスに還元してもいいと思いますが…

資格取得ノルマ

証券会社に資格取得ノルマがあるのは、意外と知られていないと思います。

大手や準大手でよく聞く評価方法なのですが、各種資格の取得を促すことで、知識の向上を図るそうです。

取得した資格の難易度に応じてポイントを付与し、資格取得状況を可視化する評価方法が多いみたいです。

会社側は資格の受験費用や登録費用はもちろん、難関資格には報奨金まで設ける力の入れ具合です。資格によりますが、知る限り5万円〜15万の報奨金を設けている会社が多いようです。これはモチベーションになります。

どんな資格を推奨しているかは会社によって異なりますが、FP、PB、そして証券アナリストに力を入れてる証券会社がほとんどです。

2年以内にAFP(FP2級相当)を取得しないといけない会社もあるので、いかに証券会社が資格取得に力を入れてるかがわかりますよね。

ノルマを達成できないとどうなるか

「未達=即クビ」という公開情報はありません。ただし2023〜25年に投稿された口コミでは、次のような記述が大手・中堅を問わず見られます。

  • 「新規開拓のノルマ…まったくうまくいかないため、徹底的に詰められます」(野村證券・2023年10月投稿、転職会議)/一方で「過剰なノルマは無くなりつつある」(同・2023年1月)
  • 「1年目はノルマはないと言っているが普通にある…人によっては結構詰められて精神的に参る」(大和証券・2024年9月)、「年次が上がるにつれ厳しくなるが、できなくても詰められるというよりは居場所がなくなっていく感じ」(同・2024年3月)
  • 「ノルマも存在する。出来なければ当たり前に詰められる、小言をいわれる」(丸三証券・2024年8月ほか2025年投稿多数)
  • 「収益ノルマは廃止したが純増目標を設定」「ノルマはないが目標はあることを承知の上で入社して下さい」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券・2022年1月/2024年5月)

金融庁も2023年6月公表のモニタリング結果で、「個人の収益目標は廃止したものの、営業拠点の業績評価に件数目標が存在するため、拠点長が自身の判断で個人に目標を割り振り、達成状況を管理」している実態を指摘しています。

つまり「未達でどうなるか」は、①評価・賞与への反映 ②支店内での立場(詰め・居場所) ③配属・異動、の順で効いてくると考えておくのが安全です。1〜3年で見切りをつけて他の金融機関・IFAへ移る人も多く、証券で身につけた営業力は転職市場で評価されます(→ 証券会社に強い転職エージェント比較5選【2026年版】)。

2026年のノルマはどう変わったか

公式には「収益目標の廃止」「預かり資産・ストック評価」へ

  • 大和証券:2017年4月に営業担当者ごとのノルマ設定を廃止、2019年10月に収益目標を廃止し顧客の運用損益を評価に反映、2024年度から「お客様の資産成長」を業績評価に導入(大和証券グループ本社 統合報告書2025・公式FDページ)
  • 野村證券:2017年頃から販売手数料目標の付与を廃止と報じられ、ウェルス・マネジメント部門はストック資産純増・ストック収入をKPI化。ストック収入費用カバー率は67%(2024年9月)→2031年3月期目標80%(野村HD 2024年12月)
  • みずほ証券:2023年度から「評価項目を見直し、個人収益目標を廃止」(公式採用サイト)
  • 三菱UFJモルガン・スタンレー証券:評価項目は「ストック資産純増額」(MUFG お客さま本位の業務運営 取組状況、2026年6月)
  • SMBC日興証券:2022年度から預かり資産の伸びを重視する評価体系に(日経2023年1月)。2024年度の残高ベース収益1,016億円は過去最高

それでも「詰め」が残る理由

  • 金融庁のモニタリング(2025年7月公表)では「フロー評価が高い会社ほど手数料の高い商品を多く販売」と分析され、業績評価の見直しを実施した証券会社は40%にとどまります。2026年7月公表分でも「十分な検証なく営業目標を上方修正」「顧客本位の評価項目のウェイトが低い」事例が課題として挙げられました
  • 「ノルマ廃止は”忖度”に変質するだけ」という論評(ダイヤモンド・オンライン 2019年)や、口コミの「ノルマはないが目標はある」(2024年)は、目標の名前が変わっても現場のプレッシャーは残ることを示しています
  • 一方で、預かり資産(ストック)評価は「今月売って終わり」ではなく「顧客の資産を増やし続ける」方向に営業を向かわせるため、回転売買型の詰めは弱まる方向にあると見られます。就活・転職では「その会社の評価KPIがフロー(手数料)かストック(残高純増)か」を確認するのがおすすめです

よくある質問

Q. 証券会社のノルマは月いくら?

会社規模・支店規模・年次で決まり、公開情報で確認できる一律の金額はありません。本文の「手数料ノルマ」節の目安を参考にしつつ、OB訪問で年次別の実額を聞くのが確実です。

Q. ノルマ未達だとクビになる?

未達で即解雇という公開情報はありません。評価・賞与、支店内での立場(詰め・居場所)、配属に反映されるという口コミが2023〜25年でも見られます。

Q. 証券会社のノルマは廃止された?

大和(2017年)・野村(2017年頃)・みずほ証券(2023年度)などが個人の収益目標を廃止し、預かり資産の純増などで評価する体系に移行しています。ただし「目標」は残っており、口コミでは「ノルマはないが目標はある」という声が続いています。

Q. ノルマがきつい会社を避けるには?

評価KPIがストック型か、口コミ(2024年以降)で「詰め」の記述が減っているか、支店・上司の評判はどうかを確認してください(→ 証券会社のブラックランキング証券会社に接待はある?)。

まとめ

この記事では、証券マンのノルマについてまとめました。

さまざまなノルマがあって厳しい証券営業ですが、給料は高いですし営業パーソンとして成長できる環境ではあります。

金融に興味がある人、営業で自分の可能性を試したい人は、証券営業にトライしてみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人

元証券マン・元銀行員などの金融業界経験者と、転職メディア運営5年の編集担当(Sasaki)で構成。有価証券報告書などの一次情報にもとづき、金融業界のキャリア情報を発信しています。

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