変動する金利市場やネット金融の浸透によって、金融業界は激しい変化の渦中にいます。
そのような中でも、銀行や証券会社は今も人気の高い就職先です。地方銀行は近年、中途採用の拡大や高卒・短大卒採用の再開など、入り口が多様化しています。
そこでこの記事では、地方銀行への採用に学歴は必要なのか、そしてエリートコースや出世についてお伝えします。
先に結論
- 地方銀行の総合職に明確な学歴フィルターは少ないと言われます。実際、千葉銀行グループの2025年春就職者は明治28・千葉25・日本大16・早稲田16・学習院14・法政13など幅広い大学から(大学通信)
- 有利なのは「地元の国公立・有名私大」。ただし高学歴より「地元志向・人柄・数字への意志」が見られます
- 高卒・短大卒の入り口もあります(静岡銀行・四国銀行など)
- 2024〜26年は中途採用が急拡大(地銀30行で前年度比約5割増、日経2025年2月)。DX・事業再生・法人コンサルなど専門人材の採用が増えており、「学歴」より「何ができるか」の比重が上がっています
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地方銀行には学歴が必要なのか?
はじめに、地方銀行の採用には学歴が必要かどうかについてお伝えします。
学歴フィルターはほとんどない
結論として、地方銀行の採用には学歴フィルターはほとんどありません。
大手地銀である横浜銀行と常陽銀行の採用実績校を見てみましょう。
青山学院大学、茨城大学、大阪大学、大妻女子大学、岡山大学、お茶の水女子大学、香川大学、鹿児島大学、神奈川大学、金沢大学、鎌倉女子大学、関西大学、関西外国語大学、関西学院大学、関東学院大学、学習院大学、学習院女子大学、北里大学、九州大学、京都大学、京都産業大学、共立女子大学、群馬大学、慶應義塾大学、高知大学、神戸大学、神戸市外国語大学、國學院大學、国際基督教大学、国士舘大学、駒澤大学、埼玉大学、滋賀大学、静岡大学、芝浦工業大学、首都大学東京、昭和女子大学、白百合女子大学、信州大学、実践女子大学、上智大学、成蹊大学、聖心女子大学、成城大学、清泉女子大学、西南学院大学、専修大学、創価大学、高崎経済大学、玉川大学、千葉大学、中央大学、中京大学、筑波大学、津田塾大学、鶴見大学、帝京大学、電気通信大学、東海大学、東京大学、東京外国語大学、東京学芸大学、東京工業大学、東京女子大学、東京農業大学、東京理科大学、東北大学、東洋英和女学院大学、東洋大学、同志社大学、獨協大学、名古屋大学、名古屋市立大学、新潟大学、日本大学、日本女子大学、一橋大学、広島大学、フェリス女学院大学、福岡大学、法政大学、北海道大学、武蔵大学、明治大学、明治学院大学、山形大学、横浜国立大学、横浜市立大学、立教大学、立命館大学、早稲田大学
引用元:リクナビ2024|株式会社横浜銀行
青山学院大学、青山学院女子短期大学、亜細亜大学、跡見学園女子大学、茨城キリスト教大学、桜美林大学、大妻女子大学、大妻女子短期大学、嘉悦大学、学習院大学、学習院女子大学、神奈川大学、鎌倉女子大学、川村学園女子大学、関西大学、関西学院大学、神田外語大学、関東学院大学、北里大学、京都女子大学、共立女子大学、杏林大学、慶應義塾大学、恵泉女学園大学、神戸女学院大学、国学院大学、国際医療福祉大学、国士舘大学、駒澤大学、駒澤女子大学、桜の聖母短期大学、産業能率大学、実践女子大学、実践女子短期大学、芝浦工業大学、十文字学園女子大学、上智大学、淑徳大学、城西大学、昭和女子大学、白百合女子大学、聖心女子大学、清泉女子大学、聖徳大学、成蹊大学、成城大学、専修大学、創価大学、大正大学、大東文化大学、拓殖大学、玉川大学、千葉科学大学、千葉商科大学、中央大学、中央学院大学、津田塾大学、都留文科大学、帝京大学、桐蔭横浜大学、東海大学、東京家政大学、東京家政短期大学、東京家政学院大学、東京経済大学、東京都市大学、東京国際大学、東京女子大学、東京電機大学、東京農業大学、東京理科大学、東京立正短期大学、同志社大学、東邦大学、東北学院大学、東北福祉大学、東洋大学、東洋学園大学、常磐大学、常磐短期大学、獨協大学、名古屋外国語大学、二松学舎大学、日本大学、日本女子大学、日本女子体育大学、白鴎大学、フェリス女学院大学、文教大学、文京学院大学、法政大学、宮城学院女子大学、武蔵大学、武蔵野大学、武蔵野音楽大学、明治大学、明治学院大学、明星大学、立教大学、立正大学、立命館大学、龍谷大学、流通経済大学、麗澤大学、早稲田大学、和洋女子大学などの私立大学および短期大学
引用元:リクナビ2023|株式会社常陽銀行
旧帝国大学や早慶からの採用もありますが、日東駒専や地元の一般大学からの採用が多いです。
他の地方銀行でも一般大学や地元の大学からの採用も多いので、地方銀行には学歴フィルターはないと言えるでしょう。
横浜銀行と常陽銀行の詳しい解説記事はこちら↓


地元の有名大学が採用されやすい
上記の採用実績校を見るとわかるように、地元の有名大学であればその地域の地方銀行には採用されやすい傾向にあります。
例えば静岡銀行であれば、静岡大学をはじめとして、常葉大学や聖隷クリストファー大学など、静岡県内の大学が採用されやすいです。
採用されやすい理由としては、地方銀行の営業活動には地域コミュニティとの関わりがとても重要であるため、地元愛が強かったりすでに地域との人脈がある人が営業成果を出しやすいからだと考えられます。
地方銀行に向いている人について解説している記事もあるので、併せてご参考ください。

静岡銀行の詳しい解説記事はこちら↓

専門職採用には高学歴が有利
地方銀行への採用には基本的に学歴は必要ありませんが、専門職への採用はある程度の学歴が要求されます。
例えば横浜銀行と福岡銀行では、2023年卒の新卒採用として下記のように専門職採用を行なっています。
| コース | 業務内容 |
|---|---|
| デジタル戦略コース | 非対面チャネルやデータ連携などによる金融サービス、既存の業務改革や新たなビジネスの創出など、デジタル技術を活用した企画立案・提供・推進業務 |
| データサイエンスコース | ビッグデータを活用し、経営管理やマーケティングなど既存ビジネスの高度化、新規ビジネスの創造に挑戦する業務 |
| ICT推進コース | バンキングシステムやサイバーセキュリティ、システムリスク管理に関する企画立案、運営業務 |
| コース | 業務内容 |
|---|---|
| インベストメントバンキング部門 | 産業調査、財務事業分析、FAコンサルティング、投融資一体提供、SDGs支援 |
| マーケット部門 | 国内外債券・株式、オルタナティブ商品、円貨・外貨資金、外国為替、デリバティブ等の投資企画業務 |
| デジタル部門 | 機械学習などを活用した与信モデルやターゲティングモデルの開発・評価、分析結果の可視化やKPI設計、行内外のデータ収集や分析環境構築・運用 |
上記のような専門職への採用については、地方銀行であってもMARCH以上の高学歴が採用されるケースがかなり多いです。
専門職には高度な専門知識が必要であるため、専門知識を吸収できるだけの地頭が必要です。そのため、高学歴を採用するケースが増えてしまうのです。
採用実績校の傾向と高卒・短大卒採用の現状(2025〜26年)
- 採用実績校:千葉銀行グループの2025年春 大学別就職者数は、明治28・千葉25・日本大16・早稲田16・学習院14・法政13・青学12・立教12・中央10・駒澤8(大学通信オンライン)。首都圏の地銀でも「特定校集中」ではなく、地元国立+MARCH〜日東駒専まで幅広い構成です
- 募集要項の学歴要件:横浜銀行(27卒)は総合職=4年制大学・大学院・専門・高専卒、カスタマーサービス職=4年制・短大・専門卒。総合職に「デジタル戦略」「データサイエンス」「IT」コースを設置し、初任給は大卒28万円・院卒30万円・CS職21万円(横浜銀行 採用サイト、2026年2月時点)
- 高卒・短大卒:静岡銀行は「学部・学科不問」「短大・専門・高専卒も対象」「新卒の高卒者は別途募集」(2025年度採用予定190名)。四国銀行は高卒・短大卒・高専卒・専門卒に学歴別の初任給を設定し、転居転勤のない職位も用意。総合職は大卒が基本ですが、一般職・エリア職では高卒・短大卒の入り口が明確にある行が増えています
- ※「学歴フィルターがややある印象」とする就活サイトの記述(横浜銀行、2022年入社データでMARCHが約1/3)もあります。明確な足切りより「地元有名大が結果として多い」と捉えるのが実態に近いでしょう
地方銀行のエリートコース
次に、地方銀行のエリートコースについてお伝えします。
【地方銀行のエリートコース】
- 人事部
- 経営企画部
- 本店法人営業部
- 旗艦店営業
- 県外・海外の管理職
人事部
人事部は銀行全体の人事采配や採用活動を行う、まさに地銀の顔となる部署です。
今後の銀行を担う人材を採用し、適切に配置することが要求されるため、人事部に配属されたら上からかなり期待されていると解釈して良いでしょう。
経営企画部
経営企画部は銀行の脳とも言える部署であり、今後の経営戦略を立案したり実行中の戦略を修正したりと、まさに銀行の中枢です。
基本的に新卒で配属されることはなく、営業店でかなり成果を出したスーパーセールスマンや、外部から招いた敏腕コンサルが配属されるケースが多いです。
とはいえ近年は若手(30歳前後)でも配属される場合があると聞くので、生え抜きで結果を出していけば経営企画部に配属される可能性はあるでしょう。
本店法人営業部
本店法人営業部は、まさにその銀行のビッグクライアントを担当する部署です。地銀で言えば、地元の大企業や有力中小企業、宗教法人や学校法人を担当する部署です。
少なくとも数億円単位の取引を行う顧客ばかりを抱える部署なので、大きな案件をこなすプレッシャーや、関係維持・改良ができるコミュニケーション能力が要求されます。
旗艦店営業
旗艦店営業とは、大きな収益を稼いでいる支店(旗艦店)の営業部員を指します。
本店法人営業部ほどではないにしても、それでも銀行トップクラスの取引残高と取引数を抱える支店であるため、営業員として期待されている方が配属されるケースが多いです。
県外・海外の管理職
県外・海外の管理職は、銀行の営業基盤拡大を期待されて任命されるので、出世コースの一つとされています。
失敗してしまい支店を畳むこともよくあるのですが、成功できたら一気に顧客基盤が強まるので、ある種の博打の旗振りを任されているとも解釈できます。
これまでの顧客や同僚とは離れて、違う銀行に転職するレベルで新しい環境になるので、環境面での負荷はかかりますが、成功させれば出世が待っていると思って士気高く仕事に臨んでいる方が多いと聞きます。
2026年の地銀で評価される力
- 中途採用の拡大:地銀30行の2024年度中途採用は前年度比約5割増、採用に占める中途比率は2020年度の1割から3割へ(日経 2025年2月12日)。横浜銀行が外資系から年収5,000万円程度で採用した例、北國FHDは採用の5割が中途、など専門人材の獲得競争が起きています
- 求められる領域:事業再生(倒産増・スポンサー型再生の増加に対応、ニッキン2025年4月)、DX・データ(横浜銀行のデジタル戦略/データサイエンス/ITコース)、事業承継・法人コンサル
- 若手の採用難:武蔵野銀行・南都銀行・横浜FG・名古屋銀行などが内定辞退者に「転職優先パス」を付与(日経 2026年5月)。学生側の選択肢が広がり、銀行側が「選ばれる」努力をする局面です
- つまりエリートコース(人事・経企・本店法人・旗艦店・県外海外)に加えて、専門領域で実績を積むルートが開きつつあります。学歴に自信がなくても、資格(→ 銀行員に必須の資格)と専門性で道を作れる時代です
地方銀行で出世するには
次に、地方銀行で出世するためのポイントをお伝えします。
【地方銀行で出世するには】
- 目標(ノルマ)を達成する
- 大きなミスを起こさない
- 大口顧客に支持されている
目標(ノルマ)を達成する
地方銀行に限らないですが、出世する方の多くは、目標(ノルマ)をそつなくこなす方が多い印象です。
地銀の目標で言えば、クレジットカード発行、新規貸付、定期預金契約などさまざまありますが、いずれも同期のなかで営業成績がトップクラスだった方が出世することが多いです。
単月で目標を大きく達成することよりも、ギリギリでも良いので継続的に目標達成する方が評価されるので、数字の調整力も仕事ができる人の特徴と言えるでしょう。
大きなミスを起こさない
大きなミスを起こさないことも地銀出世の条件です。
数字を扱う仕事である以上、一つのミスが銀行全体の信用失墜につながります。「人間だからミスはしょうがない」ではすまないのが金融ビジネスなのです。
とはいえ、メールの送り忘れや電話引継ぎミスなどは取り返しがつくので、このレベルは仕方がありません。一方で送金ミスや金額計算ミスは顧客や関係者の大きな迷惑につながるので、数字上の大きなミスを起こさないことが銀行キャリアではとても重要なのです。
大口顧客に支持されている
出世するための条件とまでは言えないですが、大口顧客に可愛がられていると出世しやすいのは間違いありません。
というのも、大口顧客に支持されている営業員を辞めさせるわけにはいかないので、上司は可能な限り高い評価をつけます。
また、大口顧客との取引自体が目標(ノルマ)に貢献することはもちろんのこと、関係値が強ければ顧客紹介も行ってくれるので、自然と営業成績も好調になるのです。
大口顧客から可愛がられる高い社交性、そして数字面での会社への貢献度が強いので、大口顧客に支持されている銀行員は出世しやすいのです。
よくある質問
Q. 地方銀行に学歴フィルターはある?
明確な足切りは少ないと言われます。千葉銀行の2025年就職者は明治・千葉大から日東駒専まで幅広く(大学通信)、「地元の有名大が結果として多い」程度です。
Q. 高卒でも地方銀行に入れる?
静岡銀行・四国銀行のように高卒・短大卒の募集枠を設ける行があります。総合職は大卒が基本ですが、一般職・エリア職では入り口があります。
Q. 地方銀行の年収は?
主要地銀の平均年間給与は約680〜860万円(2026年3月期有報・銀行単体)です → 地方銀行はホワイト?。各行の分析は 横浜銀行・千葉銀行・静岡銀行・福岡銀行 をご覧ください。
Q. 学歴に自信がないが地銀で出世したい
本文の「出世するには」3点(目標達成・大きなミスをしない・大口顧客の支持)に加え、2026年は事業再生・DX・事業承継などの専門性が評価されやすくなっています。
学歴以外の物差しで評価されたい場合
本文で触れたとおり、地方銀行の評価は入行後の実績で決まる部分が大きいと言われます。一方で、評価の基準そのものが自分に合わないと感じるなら、外に物差しを求める選択肢もあります。
地銀からの転職では、金融業界に特化したエージェントのほうが話が早いと言われます。支店の職種や評価制度、出向の慣行を説明せずに済むためです。
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まとめ
この記事では、地方銀行の学歴事情と出世についてお伝えしました。
金融業界は人材の流動性が激しい業界ですが、地方銀行は年々新卒の給料も高くなったり、福利厚生が充実したりと労働環境が良くなっています。
ホワイト化も進んでいるので、地方銀行への転職を目指す方が増えています。
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この記事のあとに見るなら
- 地銀の年収・残業の実態 → 地方銀行はホワイト?激務?年収・残業の実態と「やめとけ」の真偽
- 地銀からの転職の進め方 → 銀行に強い転職エージェントおすすめ比較5選|地銀・メガバンクからの転職向け
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