近年、証券会社をはじめとする金融機関から独立し、IFAになる方が増えています。
しかし、IFA業界や業務の実態についてご存知でない方も多いでしょう。
そこで今回は、IFAの年収水準・働き方・必要な資格等について発信していきます。
IFAに関するほとんどことはこの記事を読めば分かるようになっていますので、是非ご参考ください。
IFAとは
IFAとは、Independent Financial Advisorの略であり、日本語では独立系ファイナンシャル・アドバイザーと言われています。
仕組みとしては、証券会社と直接契約を結ぶIFA法人と雇用契約・業務委託契約を結ぶことで、IFAとして活動することになります。
資産運用の相談者(お客様)としては、担当者が変わることがない点、土日祝日も相談できる点、何より中立的な提案を受けられる点がメリットです。
IFA自身も、自分の好きなお客様に集中できる点、時間や提案商品の制限がない点、成果に見合った報酬が受け取れる点がメリットと言えます。
お客様と利益を追求しながらアドバイザーとして高い報酬を目指すことができるため、近年注目が集まっている職業なのです。
IFAになるメリットと証券会社との違いについてお伝えしている記事もございますので、併せてご参考ください。
IFAと証券会社の違い
次に、IFAと証券会社との違いをお伝えします。
働き手目線でのIFAと証券会社の違いは様々ありますが、主な違いは次のとおりです。
【IFAと証券会社の違い】
- ノルマの有無
- 出社義務、成果報告の有無
- 上司の有無
- 顧客基盤の強さ
- 会社のブランド
証券会社の営業員にはノルマがありますが、IFAにはノルマがありません。従業員のモチベーション管理という面ではノルマを設けることは有意義ですが、お客様志向から逸れた売買に繋がる可能性があります。
また、証券会社では支店への出社や成功報告義務がありますが、IFAは基本的にありません(IFA法人によります)。IFAは自由であると言えますが、その分成果に対する責任は全て自分の収入として反映されます。
加えて、証券会社の社員はサラリーマンなので上司が存在するのに対し、IFAの多くは個人事業主であるため上司が存在しません。
最近では、経営陣や先輩IFAが新人IFAに事務手続きや新規開拓を丁寧に教えるケースもあるので、IFAと言えども誰も頼れない環境ではありません。
そして顧客基盤も大きな違いの一つです。証券会社では半自動的に多くのお客様を担当することができますが、IFAは自分で開拓する必要があります。
会社のブランド力も当然異なります。今でこそ浸透しつつあるIFAですが、まだまだ知らないお客様が大半です。
大手証券会社は広く認知されているところ、IFAは業態も会社の規模も存在感がまだまだ弱いため、「IFAとは」から説明しないといけないケースは少なくありません。
FPとの違い
IFAとFPの大きな違いは、金融商品を直接売買できるかどうかです。
IFAは金融商品仲介業者(IFA法人)と雇用契約または業務委託契約を締結し、証券外務員として登録しているため、直接金融商品を販売することができます。
一方FPは、証券外務員登録を行なっていなくても活動できます。主な業務は家計の相談であるため、各種商品の取次は専門家に委託するのが一般的です。
FP | IFA | |
---|---|---|
役割 | 家計全般の相談 | 運用商品の提案・発注 |
資格 | FP技能士 | 証券外務員資格 |
投資商品の売買仲介 | 原則できない | できる |
報酬体系 | 相談料 | 金融商品の販売手数料等 |
IFAの平均年収と年収事例
次に、IFAの平均年収と年収事例をお伝えします。
IFAの平均年収
IFAの平均年収はおよそ1,500万円と言われています。
数年前までは年収2,000万円以上のIFA多かったですが、近年は次のような理由から平均年収が低下とした考えられます。
- IFAの平均年齢が低下した
- 保険商品に集中するIFAが増加した
- 副業でIFAに取り組んでいる方が増加した
実力主義のIFA業界ですが、やはり活動歴が長い人ほど年収が高い傾向にあります。最近では新卒・若手でIFAになる人が増えてきているので、若い世代が平均年収を引き下げる要因になっているのでしょう。
また、金融商品のように金額の大きい商品ではなく、保険商品に注力するIFAが増えたことも一因として考えられます。保険型IFAは積み上げ型のビジネスであるため、最初の数年は年収が低い傾向にあります。
加えて、不動産営業会社や税理士事務所が、副業としてIFA業に取り組んでいることも挙げられます。クロスセルできる商品として金融商品は便利なのです。
上記のような理由から、IFAの平均年収は以前よりも低下し1,000万円ほどだと言われていますが、証券会社から独立してIFA業に集中している方々のデータだけで見ると、IFAの平均年収3,000万円ほどだと言われています。
数多くのIFAを見てきた経験から、妥当な水準と言えるでしょう。
IFAの平均年収について詳しく解説している記事もあるので併せてご参考ください。
IFAの年収事例
匿名を条件に年収等を公開してくださったIFAへのインタビュー記事もございますので、併せてご参考ください。
IFAに必要な資格・有利な資格
IFAに必要な資格と有利な資格をお伝えします。
IFAに必要な資格
IFAに必要な資格は証券外務員です。
証券外務員がなければ金融商品を販売できないため、IFAとして活動することができません。
逆に言えば、証券外務員さえ取得していれば良いので、証券会社や銀行にお勤めの方であれば特段気にする必要はないでしょう。
IFAに有利な資格
証券外務員さえ取得していればIFAとして活動できるため、他に資格は必要ないと言われています。
しかし、次のような資格を保有していると、IFAとして提案できる商品の幅が広がったり、信用力が高まったりします。
【IFAに有利な資格】
- 保険募集人資格
- 宅建士資格
- ファイナンシャル・プランナー(FP資格)
- 証券アナリスト資格
IFAの資格に関しては下記の記事で詳しく説明しているので、併せてご参考下さい。
IFAに転職して成功・失敗する事例
次に、IFAに転職して成功・失敗する事例を見ていきましょう。
IFAに転職して成功する事例
IFAに転職して成功する事例は次のとおりです。
【IFAに転職して成功する事例】
- お客様本意の提案ができる方
- 自分を律して仕事ができる方
- コンプライアンス意識が高い方
綺麗事ではなく、お客様のことを最優先に考えて営業できる方であれば、IFAとして成功することは難しくありません。
IFAの評価指標はお客様からの信頼度しかありません。所属会社のブランドや顧客基盤を活用できないIFAは、お客様の信頼・信用を何よりも重要視しなければ成果をあげることができないのです。
また、活動時間や提案商品はIFA自身が自由に決定できるため、自分を律して活動しなければなりません。
営業プラン、提案商品、情報収集など、仕事に必要な全てのタスクが自由になる反面、それだけ責任感が大きくなると言えます。
加えて、IFAは金融機関と比べてコンプライアンス規制がまだまだ緩いので、プロ意識を持って節度ある営業活動ができる方が向いています。
IFAに転職して失敗する事例
反対に、IFAに転職して失敗する事例は次のとおりです。
【IFAに転職して失敗する事例】
- 手数料しか重視していない方
- 提案商品の幅が狭い方
- 収入源が乏しい方
お客様の利益を軽視して、手数料重視の営業のみを行っているとIFAとして失敗する可能性があります。
もちろん、短期売買や仕組債がNGではありません。あくまで、お客様志向かどうかが重要なのです。
また、提案商品の幅が狭い方もIFAとして生き残れなくなるかもしれません。金融商品だけでなく、保険商品や不動産をできれば、お客様満足度が高まりますし、収入も増加します。
IFA自身がプライベートバンカーとして広範な知識を持ち併せていればベストですが、難しい場合は専門家とのコネクションを築いておくと良いでしょう。
加えて、収入源が乏しい方は、お客様からの手数料収入に頼らざるを得ないため、お客様負担が大きくなってしまいます。言うまでもなく、お客様の信頼度の低下に繋がってしまうのです。
より詳細な失敗事例は次の記事で発信しているので、併せてご確認ください。
IFA法人大手10社
最後に、IFA法人の大手10社をご紹介します。
2021年11月時点のIFA在籍数や推定売上高から選定しています。各社の優劣を示していない点にご留意ください。
【IFA法人大手10社】
- 株式会社アイ・パートナーズフィナンシャル
- 株式会社YSKライフコンサルタンツ
- 株式会社Innovation IFA Consulting
- 株式会社Fan
- 株式会社Japan Asset Management
- CSアセット株式会社
- ひびきフィナンシャルアドバイザー株式会社
- GAIA株式会社
- ASSET BANK株式会社
- 株式会社ブルクアセット
IFA法人大手10社の特徴をまとめた記事もありますので、併せてご参考ください。
【2022年版】IFA法人大手10社の特徴を紹介!【IFA転職希望者必見】 | IFA PASS (ifa-pass.com)
まとめ
今回はIFA完全ガイド!と称して、IFAの年収や必要な資格等について発信しました。
IFAへの転職、IFA法人の移籍を検討している方は「IFA PASS」にお気軽にご相談ください。
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