数ある金融系資格のなかで、最も難しい資格はCFA資格と言われてます。
同じく難関資格として知られている証券アナリストと同じレベルの学習内容であることに加え、英語で出題されるのですから、相当な準備が必要です。3年以上勉強している方も少なくありません。
なぜそこまで一つの資格を目指す方がいるのでしょうか。ネット上では「CFA資格を目指しても意味ない」と主張する方も見受けられます。
この記事では、CFA資格の取得を意味ないとする主張をまとめた上で、CFA資格取得のメリットについてお伝えしていきます。
「そもそもCFAとは」という方は、下記の記事で学習内容や難易度についてインプットして頂けると幸いです。
CFA資格は意味ない?
はじめに、CFA資格を意味ないとする主張をまとめていきます。
【CFAは意味ないと言われる理由】
- 日本での認知度が低い
- 金融専門職以外の業務で活用しにくい
- キャリアに生かさないと費用対効果が悪い
日本での認知度が低い
CFAは金融業界のグローバルパスポートと認識されており、それゆえ合格すれば仕事に困ることはないとすら言われています。
しかし、こと日本においては金融業界内ですら広く認識されているとは言い難く、リテール営業であればCFA資格をとっても意味ないと言われる場合があります。要求される素質は知識やスマートさより根性や気概だからです。
CFA資格保有者のデータを見ても、欧米諸国がほとんどであり、日本には約1,000人しかいない状況です。
国/地域 | 人数(人) | 構成比(%) |
---|---|---|
米国 | 67,915 | 41.5 |
カナダ | 18,547 | 11.3 |
イギリス | 11,344 | 6.9 |
香港 | 7,470 | 4.6 |
中国 | 6,060 | 3.7 |
日本 | 1,366 | 0.8 |
徐々に認知度が拡大している実感はありますが、日本国内で広く知られるにはまだまだ時間がかかりそうです。
金融専門職以外の業務で活用しにくい
CFAで学習する内容の専門性と英語試験であることを考慮すると、運用会社やGM(Global Markets)など、いわゆる金融専門職以外では活用しにくいと言えます。
CFA資格では金融や財務をしっかり勉強するため、もちろんリテール営業やFP業務でも役立ちますが、CFA資格よりFP資格の方が実用的です。
CFA資格試験を運営しているCFA Insutituteが公表しているデータを参考にしたグラフを見ると、CFA合格者の主な職業は以下のとおりです。
1位のポートフォリオマネージャーは、野村アセットマネジメントやフィデリティなどの運用会社で運用業務にあたっている方や、野村證券や大和証券などの証券会社のGMでディーラー業務に従事している方が該当します。
データを見てもわかるように、実際にCFA資格を活用しているのはほとんど金融専門職の方なので、それ以外の業務では応用しにくいと言えます。
キャリアに生かさないと費用対効果が悪い
CFA資格は他の金融系資格と比較すると、取得までにかかるコスト(費用と時間)が高いです。
費用面はLevel3まででも2,000ドル以上、勉強時間はプロでも600時間は最低でもかかります。気楽に申し込める資格試験ではないですよね…
CFA資格は転職などキャリアアップに活用する上では有意義な資格ですが、特段目的もなしに勉強を始めると費用対効果が悪いので、別の資格を取得されるのがおすすめです。
CFA資格のメリット
ここまでCFA資格を意味ないとする主張をまとめましたが、筆者としては大いに目指す価値のある資格だと思っています。
ここからは、CFA資格のメリットをお伝えします。
【CFA資格のメリット】
- 金融と英語を体系的に学習できる
- キャリアップに活用できる
- 質の高い人脈形成に繋がる
- 金融に関連した仕事にも活用できる
金融と英語を体系的に学習できる
CFAは金融と英語を体系的に学習できる効率の良い資格です。
金融を学習するだけであれば証券アナリスト資格で良いでしょうし、英語であればTOEICやTOEFLの方が実用的でしょう。
しかし、金融も英語もしっかり学びたい方であれば、どちらも実務レベルで学習できるCFA資格がおすすめです。
実務に応用できる生きた金融知識と英語力を養うことができます。
キャリアップに活用できる
CFAは金融専門職以外の業務では活用しにくいと述べましたが、逆に金融専門職を目指す上では非常に有用な資格なのです。
【金融専門職の例】
- M&A、DCM&ECM、カバレッジなどの投資銀行業
- セールストレーダー、アナリストなどのマーケット業
- ファンドマネージャー、バイサイドアナリストなどの投資顧問業
- PE、VCなど投資業
- ウェルスマネジメント、ファミリーオフィスなど富裕層営業
ハイクラス求人に強いリクルートダイレクトスカウトを見ると、実際にCFA資格保有者を優遇する金融専門職の求人がかなり多いです。CFAはキャリアアップに活用できる資格だと一目でわかります。
CFA資格や証券アナリスト資格を歓迎する求人を確認する際は、リクルート運営のハイクラス転職サービスのリクルートダイレクトスカウトがおすすめです。
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質の高い人脈形成に繋がる
CFA協会に登録すると、セミナーやスタディグループを通じて自己研鑽やコミュニティ形成の機会を作ることができます。
「受験の準備を始めると同時に、CFA協会に登録してスタディグループのサービスを利用し、様々な企業に勤める幅広い世代の仲間と切磋琢磨(せっさたくま)しながら学習しています。また、CFA協会の活動にも積極的に参加し、尊敬する存在であるCFAホルダーの方々との交流や、CFAを世に広げていく協会活動への参加も貴重な学びの機会になっています。」
SMBC日興証券 村井 紀夫氏
「CFA協会の会員になってから定期的にセミナー案内が届くようになり、会員は無料で参加できるため興味を持ったセミナーには積極的に参加。個人で活動していると自分と似た投資スタイルを持つ人と話すことが多くなりがちですが、セミナーでは様々な投資観を持つ専門家の知見に接して視野を広げることができ、投資活動に役立っています。」
個人投資家 長友 威倫氏
投資の知見やキャリアプランを深めるのに役立つ質の高い人脈を形成できる点も、CFA資格のメリットの一つです。
金融に関連した仕事にも活用できる
CFA資格は金融専門職に役立つと伝えましたが、金融に関連する業務にも応用できます。商社の事業投資業務や、金融分野の翻訳業務がその良い例です。
少数ではありますが、CFAコミュニティには商社、メーカー、メディアなどの金融以外のメンバーも存在します。そして皆さん口を揃えてCFA資格が業務に活用していると仰います。
金融専門職以外には応用できないとお伝えしましたが、結局のところ知識をどう活用するかはその人次第ということでしょう。
その点CFAは良くも悪くも中途半端な資格ではないので、活用方法は容易に思いつきそうですね。
まとめ
今回はCFA資格を意味ないとする主張と取得のメリットまとめました。
筆者としては、CFAは目指す価値のあるとても有用な資格だと確信しています。しかし、これから勉強を始める方が不安に思う気持ちはわかります。
不安な方は、今一度勉強する目的を確認すると良いと思います。キャリアアップに活用されるのでしたら、CFAが生かせる求人をしっかり確認すれば良いでしょうし、知見を深めるためでしたらCFAのテキストを一通り眺めるのも良いでしょう。
自分にとって、腰を据えて勉強するに値する資格だと確信できてからでも遅くはありません。
この記事が、CFA資格を目指す方の助けになれば幸いです。
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