仕組債は高いクーポン(利子)を得られる一方で、大きく元本割れが発生するハイリスクハイリターンの金融商品です。
今回は、仕組債の理解に不可欠な「ノックイン」「ノックアウト」「早期償還」について、わかりやすく解説します。
仕組債とは?という方は下記の記事をご参考ください。

仕組債のノックインとは
仕組債への投資において、「ノックイン」と「損失」は表裏一体の関係です。では、なぜ、仕組債の「ノックイン」が損失につながるのでしょうか。
まず、ノックインの考え方や、「ノックイン価格」の特徴を押さえる必要があります。
ノックインとは
「ノックイン」とは、参照指標(株価指数など)が、あらかじめ決められた水準(ノックイン価格)を下回る状態をいいます。特に、仕組債では「ノックイン価格」がどのように設定されているかがとても重要になります。
まず、償還時(満期時)にノックインすると償還価額が下がり、当初の投資資金は元本割れして損失が発生します。仕組債は償還時にノックインしていなければ元本割れの心配はなく、通常の債券よりも高いクーポン(利子)獲得が可能です。
一方、償還までの運用期間中のノックインを「ノックイン事由」といい、その後も株価指数が上昇しなければ、元本割れ(損失)のリスクが高まります。
ノックインする確率の考え方
それぞれの仕組債に設定されているノックイン価格が、低ければ低いほどノックインする確率は低くなるのが一般的です。
ノックインする確率はノックイン価格と密接に関係しており、ノックイン価格が低く設定されている仕組債は利回りも低く、逆に、ノックイン価格が高く設定されている仕組債は利回りも高くなります。
また、ノックインのリスクは償還額が減る、つまり元本割れして損失を被るリスクであり、ノックインが起こる可能性があるのは、「償還時」もしくは「運用投資期間中(投資期間中)」のいずれかです。
ノックインする価格の調べ方
ノックイン価格を調べる際には、必ず「ノックイン判定水準(%)」をチェックしてください。通常、ノックイン判定水準は「当初価格の〇〇%」のように、パーセント表示しているケースが多いです。
例えば、当初価格1,000円。ノックイン判定水準は「当初価格の60%」の場合、ノックイン価格は600円(1,000円×60%)になります。
仕組債ごとにその商品内容は異なりますので、必ずノックイン条項をきちんと確認し、「ノックイン判定水準」「ノックイン価格」などをチェックしましょう。
仕組債のノックアウトとは
ノックアウトとはノックインとは逆のケースで、「早期償還」と密接に関係しています。
ノックアウトとは
ノックアウトとは、株式指数などの参照指標が、あらかじめ定めた水準(ノックアウト価格)と同等あるいはそれを上回り、権利が発生する状態をいいます。
また、ノックアウトによって償還条件(償還時期や方法等)が変更になる債券を、「ノックアウト条項付き債券」と呼びます。
ノックインと同じく、ノックアウト判定水準は「当初価格の〇〇%」のように、パーセント表示しているケースが多いです。
例えば、当初価格1,000円。ノックアウト判定水準は「当初価格の110%」の場合、ノックアウト価格は1,100円(1,000円×110%)になります。
早期償還とは
早期償還とは、ある条件を満たせば満期を待たずに仕組債が償還されることです。定められた早期償還判定日において、参照指数が早期償還判定水準以上の場合、早期償還となります。
満期前でも償還されるという「早期償還条項」は、ノックアウト条項のひとつであり、通常は、「ノックアウト=早期償還」になっている仕組債が多いです。
早期償還は、あらかじめ定められた水準と同等、あるいはそれを上回るので、一般的な仕組債では、早期償還で損失につながるリスクは少ないです。
ただし、早期償還で受け取る利子については、償還のケースと比較し、運用期間が短くなりますので、償還時の利子よりも早期償還になった際の利子の方が減る可能性はあります。
本来の仕組債のメリットは高いクーポン(利子)ですが、利払期日に受け取る利子の受取回数が減ってしまい、高いクーポン(利子)にはならないわけです。
早期償還条項で、「早期償還判定水準」「ノックアウト判定価格」などをきちんと確認しなければなりません。
まとめ
今回は、仕組債では外せない「ノックイン」「ノックアウト」「早期償還」について解説しました。
仕組債のような複雑な金融商品で資産運用する場合は、「資産運用のプロ」からサポートやアドバイスを受けると良いでしょう。
