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仕組債はリスクヘッジとして活用できる?ヘッジ取引例を解説

仕組債は、金融商品の中でも「ハイリスクハイリターン」の商品です。

一方で、仕組債は「リスクヘッジ」として活用できるともいわれています。

今回は仕組債がリスクヘッジとして活用できる事例を解説します。

仕組債はリスクヘッジとして活用できる

仕組債は、一般的な債券にはない特別な「仕組み」をもつ債券であり、デリバティブ(金融派生商品)を利用するため、ハイリスクハイリターンの金融商品といわれています。

一方で、仕組債がリスクヘッジとして活用できる秘訣は、このデリバティブ(金融派生商品)が大きく影響しています。

デリバティブの特徴を交えながら、仕組債がリスクヘッジとして活用できる理由を紹介します。

値動きが一定であるから

預貯金とは異なり、株式や債券などの金融商品は将来値下がりし、元本割れして損失を被るリスクがどうしてもでてきます。

しかし、反対のポジョン、つまり値下がりした際に利益が出るような仕組債を購入しておくと、どうなるでしょうか。

上記のケースでは、株価や債券の値下がりによって損失がでる一方で、反対のポジョンをとる仕組債によって利益が出ますので、損失分をカバーできるわけです。

仕組債によって、値上がりと値下がり両方のバランスを図り、実際の損益に直結する値動きを一定の範囲におさめることが可能となります。

付帯されているオプションを活用できるから

仕組債で付帯できるオプションによって、リスクヘッジの範囲は広がります。

オプションとは、あらかじめ約束した価格で、1ヶ月後、1年後など将来に売ったり買ったりできる権利をいいます。

仕組債には、付帯可能なオプションがたくさんあり、リスクヘッジしたい内容に応じて、オプションを活用できます。

オプションには、あらかじめ決めた行使価格で金融商品を買う権利である「コールオプション」や、逆にあらかじめ決めた行使価格で商品を売る権利である「プットオプション」があります。

保有している金融商品やポジションに応じて、反対のポジションをとるオプションでリスクヘッジします。

仕組債を活用したヘッジ取引の事例

保有中、あるいは将来保有予定の金融商品などの価格変動リスクを、回避もしくは軽減するために、反対のポジションをとる取引をヘッジ取引といいます。

また、市場のリスクには「価格変動リスク」以外に、預金金利・債券金利などの「金利変動リスク」、円・ドル間の交換差による「為替変動リスク」があります。

それでは、仕組債を活用したヘッジ取引の事例を解説します。

EB債と個別株

EB債(エクスチェンジャブル・ボンド)とは、「他社株転換可能債」と呼ばれる仕組債です。償還日までの対象銘柄の株価変動(下落)によっては、満期日に償還金が支払われる代わりに、当該債券の発行者とは異なる会社の株式(他社株)で交付されるケースがあります。

現在保有中の株式が、今後値下がりするリスクに備えて、EB債を購入した場合、どのようになるでしょうか。

例えば、現在、市場から「適正株価」と評価される株式を保有していました。しかし、市場全体を揺るがす台風のような経済事象が発生し、ほぼ全銘柄とも株価を大きく下げとしまいました。

しかし、このような自体では、台風明けの晴天のように、ある程度市場全体が落ち着くと、適正価格に対して値を下げていた銘柄は、適正価格に向けて上昇するケースかほとんどです。

上記のように、購入したEB債は、株価下落によって償還金を受け取りできなかったとしても、値の下がった株式の現物を受け取り可能です。そのため、償還時点で売却せず保有していけば、株価上昇ともに利益を得やすくなり、リスクヘッジの後に効果があります。

リンク債とETF

株価指数連動債とは、株価指数などに連動して償還金額や利率が変動する債券で、「リンク債」や「株価リンク債」とも呼ばれています。

株価指数連動債には、「日経平均株価」や「S&P500種指数」などを参照指標にし、その変動によって償還額や利率が変動し、また早期償還条項が付帯されているケースでは満期前に償還される仕組債です。

一方、ETF(Exchange Traded Fund)とは、特定の指数、例えば日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)などの動きに連動した東京証券取引所などの金融商品取引所に上場している上場投資信託です。

上場投資信託は、株式と同じように、証券取引所で毎日売買され、株式と同じようにETFの値段も日々変動します。

上場投資信託のリスクヘッジとして、個別株と同じように、反対のポジョンをとるリンク債を活用してリスクヘッジ可能です。

レバレッジ効果のあるレバレッジ(ブル)型ETFや、騰落すると価格上昇するインバース(ベア)型ETFなど、リスク応じてたオプションを活用してみましょう。

まとめ

仕組債はハイリスクハイリターンであると同時に、リスクヘッジの機能がある金融商品です。

リスクヘッジ機能など、仕組債の特徴をフル活用して資産運用するには、プロの意見を聞いてみるのも良いでしょう。

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MY OPTION編集部

資産×キャリア形成メディア「MY OPTION」編集部です。 大手証券会社、総合商社、メガバンク出身者などで構成されています。

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