証券会社は実力主義のイメージがある一方で、大手証券では高学歴を多く採用しているイメージがあります。
「学歴がないと証券会社に就職できないのか?」「学歴が良くないと証券営業で成功できないのか」という疑問が生じるかもしれません。
そこでこの記事では、証券マンの学歴事情についてお伝えします。
先に結論
- 大手証券のボリューム層は早慶MARCH+旧帝。2025年春卒の就職者数は野村=慶應53・早稲田28・明治22・東大17、大和=早稲田35・慶應29・中央26・同志社21(大学通信)
- ただし採用校の裾野は広く、野村は日大・龍谷大まで、大和は日大・法政・関西大からも採用。「大卒必須」だが「難関大限定」ではない
- 大手5社の27卒募集要項は「四年制大学卒業/大学院修了」が要件。短大・専門卒の枠を明記しているのは中堅(東海東京・岡三など)
- 入社後の評価は数字と顧客の支持で決まり、学歴は「本店・専門部門への配属」で効く程度。学歴に自信がなくても、リテールで数字→本店/資格→専門職/中堅→大手・IFAへ、の3ルートがあります
証券会社において高学歴であるメリットや、「学歴がないと成功できないのか?」という点も含めて発信していきますので、是非ご参考ください。

証券マンの学歴
ボリューム層は早慶MARCH
証券会社では、いわゆる無名大学〜東京大学まで、本当に幅広く採用しています。
ボリューム層は大手証券会社と中堅・地場証券で異なるのですが、次のように認識すると良いでしょう。
| 大手証券 | 早慶>MARCH>関関同立>旧帝大>地方国立… |
| 中堅・地場証券 | 地元の国公立>地元の有力私立>MARCH… |
大手証券会社の場合は比較的高学歴の方が多く、中堅・地場証券の場合は地元の有力大学出身者が多い印象です。
証券マンの学歴分布
証券業界全体の学歴に関して言えば、おそらく次のような結果になると思います(完全に私の主観なのであくまで参考までに)
【証券会社の学歴分布】
- 早慶+MARCH:50%
- 関関同立:25%
- 国公立:15%
- その他:10%
全く根拠ないデータですので参考になるか分かりませんが、就職サイトを見る限りはそこまで外れた値になっていないと思います。
証券会社は、早慶MARCHの巣窟であるとの認識で良いと思います。
野村證券と大和証券の採用大学
次に、野村證券と大和証券の採用実績をお伝えします。
早慶MARCHの巣窟ではありますが、本当に幅広く採用しています。
2025年春卒 大学別就職者数(大学通信オンライン「2025年 企業ごとの大学別就職者数」)
| 順位 | 野村證券 | 大和証券 |
|---|---|---|
| 1 | 慶應義塾大 53 | 早稲田大 35 |
| 2 | 早稲田大 28 | 慶應義塾大 29 |
| 3 | 明治大 22 | 中央大 26 |
| 4 | 東京大 17 | 同志社大 21 |
| 5 | 立命館大 16/関西学院大 16 | 明治大 20 |
| 7 | 中央大 11 | 関西学院大 16 |
| 8 | 京都大 9/青山学院大 9/同志社大 9 | 青山学院大 15 |
| 11〜 | 大阪大 8、東北大 6、一橋大 6、学習院大 5、東京理科大 5 ほか | 関西大 12、立教大 11、日本大 9、法政大 8、上智大 7、立命館大 7、千葉大 6、一橋大 6 ほか |
※ 全国765大学への調査(568大学回答)。グループ企業を含む場合があります。就活サイトの引用では、野村の採用実績校は旧帝・早慶から日大・龍谷大まで幅広く掲載されています。
大手・準大手・中堅で学歴層はどう違うか
- 大手5社:上表のとおり早慶MARCH+旧帝が中心。27卒募集要項の応募資格は野村「四年制大学卒業見込 or 大学院修了見込」、大和「四年制大学・大学院・高専(専攻科)」、三菱UFJモルガン・スタンレー「四年制大学 or 大学院」で、いずれも短大・専門・高卒の記載はありません
- 準大手:東海東京FHの2025年春卒は愛知大8・中京大6・立命館大6・東京経済大5・明治大5・南山大5と地元(愛知)大学が上位。募集は「大学・大学院・短大・専門学校・高専」が対象(短大等卒 初任給25万円、大卒30万円)。岡三証券は明治12・日本大10・法政10・近畿大8と日東駒専・関関同立クラスが中心で、応募資格は「四年制大学・大学院・短大」(短大卒 初任給28.5万円)
- 中堅・地場:地元大学中心。学歴要件は緩やかで、短大・専門卒の入り口を明記する会社もあります
- つまり「学歴層」は会社規模でほぼ決まります。大手を狙うなら大卒は必須ですが、準大手・中堅には短大卒からの入り口があります(→ 証券会社一覧、準大手証券とは)
証券会社に学歴フィルターはあるか
- 明確な「足切り」を示す一次情報はありません。大手の募集要項は「四年制大学卒」を求めるのみで、大学名の指定はなく、採用実績校も旧帝から日大クラスまで幅広いです
- ただし結果としての偏りはあります。2025年春卒で野村・大和とも上位10校のほとんどが早慶・MARCH・関関同立・旧帝で、就職者数の厚みは明らかに難関大に寄っています。ES通過率やリクルーター接触の頻度が大学で異なる、という声は口コミ・就活サイトに多く、「フィルターというより母集団形成の差」と捉えるのが実態に近いでしょう
- 学歴で差がつきにくいのはリテール営業職(地方支店・エリア限定コース)。逆に本店のIBD・リサーチ・GMは早慶・東大京大が多数派です(次節「エリートなのか」参照)
証券マンのエリートなのか

証券マンがエリートかどうかについては、「人による」というのが結論です。
投資銀行部門やマーケット部門など、いわゆる本社ホールセール部門に所属している証券マンの多くは、早慶や東大京大出身者の高学歴ばかりです。
年収も学歴も高いので、彼らはエリートと言っても差し支えないと思います。
もちろんリテール営業部門にも高学歴の方はいらっしゃいます。しかし、ホールセール部門の方が高学歴の割合が高いのはどの証券会社でも当てはまるはずです。
一般的にエリートと言われる方は、本社ホールセール部門の証券マンだと認識すれば良いでしょう。
高学歴が証券会社に入るメリット
次に、高学歴の方が証券業界に入るメリットを挙げていきましょう。
総合商社や外資系企業など幅広い選択肢がある中で、高学歴の方が日系証券会社に入社するメリットはなんなのでしょうか。
「若い時期に社長に会える」「経済の知識が身につく」など、ありきたりな理由を除いて、より具体的なメリットをお伝えします。
あくまで傾向の話であり、高学歴であれば必ずしも次のようなメリットを享受できるわけではない点にご留意ください。
好きな部門・部署に異動しやすい
高学歴証券マンは、営業職以外の部門・部署に異動しやすいメリットがあります。
証券会社と言えば営業職のイメージが強いですが、リサーチやトレーディングを専門とする仕事もあります。証券業務は非常に多岐に渡るのです。

みずほ証券の組織図を見ると分かるように、証券会社は投資銀行部門やマーケット部門など様々な部門・部署を抱えています。
これらはホールセール部門とも言われており、取引金額が大きいことや高い専門性が求められることから、高学歴証券マンに人気の部門・部署と言われています。
実際私はマーケット部門を経験していますが、確かに周りは早慶や国立大出身の方ばかりでした。
高学歴でなくてもホールセール部門を目指すことは当然可能ですが、高学歴の方が所属しやすいのは間違いないでしょう。
顧客・同僚に覚えてもらいやすい
私の知る限り証券会社には学閥はありませんが、高学歴であると同僚や顧客に覚えてもらいやすいです。
高学歴が多い野村證券でも、東大京大出身者は少数です。そのため、上司や同僚から一目置かれます。
余計なプレッシャーだと感じることもあるでしょうが、社内の人間に覚えてもらいやすいのは間違いないでしょう。
また、証券営業の主な顧客は高齢者であり、営業マンの学歴を気にする人は今でも少数ながら存在します。
- 「あなた早稲田なの?勉強できるんだね」
- 「大阪大学なのね。うちの孫も見習って欲しいな」
みたいな形で学歴を褒められることがあります(たま〜にですが笑)
もちろん高学歴であればすぐに取引に繋がるなんてことはありませんが、顧客にポジティブな印象を与えることはできます。勉強が得意な営業マンを嫌う理由がないですからね。
転職・独立がしやすい
近年証券マンの転職件数が急増していますが、高学歴であると転職・独立がしやすいメリットがあります。
第2新卒であればポテンシャル採用で転職できますから、学歴が選考に影響を与えることは容易に想像つきます。
また、独立するにしても、高学歴であれば取引先から仕事をもらいやすくなります。
高学歴は良い仕事をする人が多い→仕事を任せたい→独立してもすぐに仕事をもらえる
という単純なロジックです。

証券営業に学歴は関係ない
これまで高学歴に焦点を当ててきましたが、証券営業に関しては学歴は全く関係ありません。
本当に実力主義の世界なので、無名大出身者でもしっかり結果を出して成功している人は多いです。
むしろ証券営業では反骨精神が極めて大事なので、最初から「高学歴の奴らを見返してやる」という気概を持てる分、より有利とすら言えるかもしれませんね。
今回は証券マンの学歴事情についてお伝えしました。
他にも証券マンに焦点を当てた記事を発信していますので、併せて読んでみてください。


学歴に自信がない人が証券会社で成功する3ルート
- リテールで数字を作って本店・専門部署へ:評価軸は預かり資産の純増と顧客の支持(→ 証券マンのノルマ)。実績があれば学歴に関係なく本店異動や上位支店への配属が開けます
- 資格で専門職ルート:証券アナリスト(CMA)・FP1級・一種外務員などを軸に、投信・保険・相続の専門担当やコンサル部門へ。CMAは2025年春試験で1次48.4%・2次44.4%の合格率(JACリクルートメント)
- 中堅・準大手から大手・IFAへ:中堅・準大手は入り口が広く(上記)、そこで実績を作って大手やIFA(独立系)へ移る道があります。IFAの登録外務員は2020年末4,264人→2026年6月末11,549人と急増中(日証協)(→ IFAとは)
よくある質問
Q. 野村證券・大和証券の採用大学は?
2025年春卒では野村=慶應53・早稲田28・明治22・東大17、大和=早稲田35・慶應29・中央26・同志社21が上位(大学通信)。上位は早慶MARCH・関関同立・旧帝ですが、日大・法政・関西大などからも採用されています。
Q. 高卒・専門卒でも証券会社に入れる?
大手5社の総合職は「四年制大学卒」が要件です。短大卒は岡三証券・東海東京FHなどが対象に含めており、専門・高専卒は東海東京FHのオープン採用が対象としています。高卒は募集要項に明記する会社が少ないのが実情です。
Q. 証券会社で出世に学歴は関係ある?
入社後は数字と顧客の支持が評価軸です。本店のIBD・リサーチなど専門部門は高学歴が多数派で、その配属を狙う場合は学歴が効く場面があります。
Q. 学歴フィルターはある?
明確な足切りの一次情報はありませんが、採用数は難関大に厚く偏っています。「フィルター」というより「母集団の差」と考え、ES・面接で数字への意志を示すのが現実的です。

