今回は証券外務員1種の難易度と勉強法、おすすめのテキスト・問題集についてお伝えしていきます!
証券外務員1種とは
証券外務員とは、日本証券業界運営する資格試験であり、金融商品を業務で扱う人は必ず取得しないといけない資格です。
証券会社、銀行、信託銀行などに勤務する方々は、ほぼ必ず取得していないといけません。
証券外務員に関する詳しい説明はこちらの記事で行っておりますので、ご参照ください。
証券外務員1種の試験概要
試験対策の前に、まずは簡単に1種試験の概要をおさらいしておきましょう。
試験日
証券外務員1種試験は平日いつでも受験できます。自分で受験日を指定できるのです。
しかし、試験日は申込日の5日以後1ヶ月以内という制限があるので注意しましょう。
申込日の翌日を1日目として、5日目(土日、祝日、年末年始休業を除く)の日から1ヵ月間に行なわれる試験について、予約することができます。
引用元:プロメトリック
試験会場
証券外務員の試験会場は全国に設置されています。自分で受験地を指定できるので、近い試験会場を選択すれば良いでしょう。
試験範囲
証券外務員1種の試験範囲は次の通りです。
法令・諸規則 | ・金融商品取引法及び関係法令 ・金融商品の勧誘・販売に関係する法律 ・協会定款・諸規則 ・取引所定款・諸規則 |
商品業務 | ・株式業務 ・債券業務 ・投資信託及び投資法人に関する業務 ・付随業務 ・デリバティブ取引 |
関連項目 | ・証券市場の基礎知識 ・株式会社法概論 ・経済・金融・財政の常識 ・財務諸表と企業分析 ・証券税制 ・セールス業務 |
受験資格
証券外務員1種の受験資格は特にありません。
2種に合格していなくても1種から受験することができます。
受験料
証券外務員1種の受験料は9,880円(税込)です。高いですね…
申込み方法
証券外務員1種の申込み方法は次の通りです。
オンラインにて希望する日時・試験会場を選択し、試験予約を行います。
コンビニ払いかPay-easy払いで受験料(9,880円)を支払います。
申込完了メールが自動で送られてくるので確認しましょう。確認できたら申込完了です。メールに記載の確認書は印刷する必要があります。
証券外務員1種の難易度
次に、証券外務員1種の難易度を「合格点と合格率」「勉強時間の目安」「他の資格との比較」からお伝えしていきます。
合格点・合格率
証券外務員1種の合格点は440点満点の308点以上です。つまり7割得点で合格できます。
合格率は次の通りです。
受験者数 | 合格率 | |
2019年度 | 4,633人 | 67.6% |
2018年度 | 4,782人 | 66.1% |
1種の合格率は65%前後だと認識しておけば良いでしょう。合格点と合格率を考慮すると比較的簡単な試験だと言えますね。
勉強時間の目安
証券外務員1種の勉強時間の目安は事前知識の有無で次のように異なります。
- 経済・金融の知識がある方:30〜50時間
- 経済・金融の知識がない方:40〜60時間
私自身の経験と、証券会社時代の同期6人の勉強時間を参考にしています。必要な勉強時間からみても簡単な資格だと言えるでしょう。
他の資格との比較
証券外務員1種の難易度を他の資格と比べてみます。
主観ではありますが、同じ金融系の資格と比較すると次のような位置付けになると思います。
【証券外務員の難易度(比較)】
FP3級>証券外務員1種>PBコーディネーター
証券外務員1種は、プライベートバンカー資格の一番易しいPBコーディネーターよりは難しく、FP3級よりは簡単だと感じました。
私は受験前に経済・金融の基礎知識があったので、経済・金融に全く馴染みのない方はFP3級よりも難しく感じるかもしれません。
証券外務員1種の勉強法
【証券外務員1種の勉強法】
- (全くの初学者の場合)テキストでさらっと学習
- 問題集で実践力をつける&解説でインプット
- 信用取引・デリバ項目は最低2周する
証券外務員1種の取得を目指す方は、金融機関への内定が決まった方や金融業界を志望する就活生などが該当すると思います。
上記の方々であれば今更テキストで超基礎的な内容をインプットする必要性はあまりないでしょう。
そのため、勉強法としては直接問題集から取り組む方法もありだと思います。私がそうでした。
しかし全くの初学者であれば、テキストで最低限の知識をインプットしないと問題集を進めるのはしんどいでしょう。分からない用語だらけですからね(笑)
証券外務員の学習内容は簡単ですが、強いて挙げるなら信用取引とデリバティブ取引が厄介でしょう。
問題集を解き進めて合格は楽勝だと思っても、信用取引とデリバティブ取引だけは2周した方がベターです。理解に時間がかかる項目ですからね。
証券外務員1種対策におすすめのテキスト
証券外務員1種対策におすすめのテキストをご紹介します。各書のメリット・デメリットも併せているのでご参考ください。
『うかる!証券外務員一種 必修テキスト』
証券外務員1種で最もおすすめのテキストが、日本経済新聞出版が出している『うかる!証券外務員一種 必修テキスト』です。鉄板ですね。
このテキストは試験に出題される内容のみを扱っているため、効率的な勉強ができます。冗長的な内容が一切ないのです。
構成もシンプルでありながら図解が頻繁に使われているので、初学者の方でも無理なく読み進めることができます。
【良い点】
- 試験範囲のみを扱っているので効率的に学習できる
- 図表が使われていて理解しやすい
- 最も利用されているテキストで信頼できる
【改善点】
- イラストはないため勉強していて少し退屈
- 問題集が別売であるため揃えるとやや割高
うかる!証券外務員一種必修テキスト 2024-2025年版 楽天市場で見る |
『スッキリわかる 証券外務員一種』
次におすすめするのテキストは、大手資格学校のTACが出版している『スッキリわかる 証券外務員一種』です。
証券外務員は金融・経済の専門用語が頻繁に出てきます。初学者が無理なく勉強できるように、同書では図解やイラストが豊富に盛り込まれています。
この本で理解できない人は金融業界を諦めた方が良いと言われるほど、解説が丁寧で分かりやすいです。
ちなみに、証券会社時代の同期の女の子がこのテキストを読み込んで合格してました。
彼女は口を開けばお酒の話ばかりする遊び人だったので、彼女で合格できるのであれば全人類このテキストで合格できると確信しています。
【良い点】
- 図解やイラストによる解説が豊富で分かりやすい
- 問題集付きでコスパがいい
【改善点】
- カラフルで目が少し疲れる
- ボリュームが多いので重い
2024-2025年版 スッキリわかる 証券外務員一種 楽天市場で見る |
証券外務員1種対策におすすめの問題集
次に、証券外務員1種対策におすすめの問題集をお伝えします。
個人的には、証券外務員試験ではテキストよりも問題集の方が千倍重要だと考えています。問題集の問題がそのまま試験に出題されることが多いからです。
『うかる!証券外務員一種 必修問題集』
先述した「うかる!」シリーズの問題集です。こちら効率性を重視した構成になっています。
見開き左ページが問題で右ページが解説となっているため、問題を解いた直後に復習することができます。復習が最も重要ですから、すぐに復習できる構成なのはありがたいです。
赤シート付きなので、重要な部分を書くことで復習できます。スキマ時間でも学習できる使い勝手のいい問題集です。
ちなみに私はこの問題集のみで試験を乗り切りました。難なく合格できたので、コスパ重視の方はこちらの問題集のみで勉強するのもありですね。
【良い点】
- 復習がしやすい構成になっている
- 赤シートでスキマ時間でも勉強できる
- 解説が丁寧
【改善点】
- 巻末の模試が取り外しできなくて不便
- Web模試を受けるまでの手続きが若干面倒
うかる!証券外務員一種必修テキスト 2024-2025年版 楽天市場で見る |
『試験をあてる TACスーパー予想 証券外務員一種』
徹底的にアウトプットしたい方に最適な一冊です。
分野別問題集と3回分の模試で血反吐が出るくらい問題演習ができます。
重要度ランクアイコンが各問題に備わっているため、学習の優先順位が設定しやすいのも特徴ですね。
【良い点】
- とにかく問題量が多い
- 重要度ランクアイコンで優先順位を付けられる
- 赤シートでスキマ時間に理解度チェックができる
- 実際にそのまま出題される問題が多い
【改善点】
- 問題集としてはやや高い
- 構成が単調
2024-2025年試験をあてる TACスーパー予想模試 証券外務員一種 楽天市場で見る |
まとめ
本記事では証券外務員1種の試験概要や勉強法をお伝えしました。
証券外務員1種は金融機関で働く上で取得必須の資格です。金融系資格のなかでは簡単な資格試験であるため、過度に身構えることなく勉強を進めていくと良いでしょう。
本記事で解説した参考書を活用しながら、効率的に勉強することをおすすめします。
コメント