【経済指標】新規失業保険申請件数とは?見方・影響

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この記事では、新規失業保険申請件数の意味・見方・影響を解説していきます。

目次

新規失業保険申請件数とは

新規失業保険申請件数とは、米国の雇用状況を示す経済指標であり、失業者が失業保険給付を初めて申請した件数を集計したものです。

毎週発表されるため、週単位の雇用状況を把握するために活用されます。

給付事務を取り扱う州事務所から労働省に報告され、季節調整を加えた上で発表されます。

新規失業保険申請件数が増えるということは失業者の増加を表しており、雇用情勢の悪化を意味しています。なお、本指標は値が低いほど雇用状況が良いことを意味します。

指標名新規失業保険申請件数
発表機関労働省雇用訓練局
U.S.BUREAU OF LABOR STATISTICS
発表時期毎週木曜日
発表周期週次

新規失業保険申請件数の見方

景気の先行指標として活用する

新規失業保険申請件数が注目される理由の一つとしては、リセッション(景気後退)の先行指標と見なされていることが挙げられます。

雇用情勢にいち早く反応する本指標が継続的に悪化していけば、景気は悪化し景気後退に陥るという流れです。

新規失業保険申請件数の見方(景気の先行指標として活用する)
出所:Zero Hedge

灰色のチャートが新規失業保険申請件数の4週間移動平均、そして薄い灰色の縦線が景気後退期を表しています。

確かに、これまで新規失業保険申請件数の4週間移動平均線が上昇を続けると、景気後退に陥っているケースが多いです。

過去の実績から見ても、新規失業保険申請件数の4週間移動平均線は、景気の谷に3ヶ月ほど先行してピークをつけていることが伺えます。

移動平均をベースに分析する

新規失業保険申請件数は毎週公表されますが、週単位で活用する際は注意が必要です。季節、祝日、天災の影響で大きく変動するからです。

そのため、アナリストが本指標を活用する際は、4週間の移動平均を参照することが多いです。

上記のグラフでも、4週間移動平均で参照されているのはこのためです。

新規失業保険申請件数の影響

株式相場への影響

新規失業保険申請件数は株式相場に影響を与えます。

雇用情勢はつまるところ景気と連動するので、雇用情勢がいいと景気がいいと判断できるからです。

景気がいいとマーケットはリスクオンになり、リスク資産である株式に資金が集まります。

【新規失業保険申請件数と株式相場】

  • 新規失業保険申請件数の値が低い→株式の買い材料
  • 新規失業保険申請件数の値が高い→株式の売り材料

金利相場への影響

新規失業保険申請件数は金利にも影響を与えます。雇用情勢は金融政策の大きな判断材料になるからです。

本指標の値が低ければ(雇用情勢が良好なら)、マーケットはリスクオンになり金利は上昇します。

反対に本指標の値が高ければ(雇用情勢が悪ければ)マーケットはリスクオフになり金利は低下します。

【新規失業保険申請件数と金利相場】

  • 新規失業保険申請件数の値が低い→金利上昇
  • 新規失業保険申請件数の値が高い→金利低下

為替相場への影響

為替相場への影響も同様のロジックで考えます。

新規失業保険申請件数の値が低ければ金利が上昇、そして米ドル買いにつながります。

米金利の上昇は、他の通貨に対する米ドルの相対的な魅力を引き上げるからです。

【新規失業保険申請件数と金利相場】

  • 新規失業保険申請件数の値が低い→金利上昇→ドル買い・円売り
  • 新規失業保険申請件数の値が高い→金利低下→ドル売り・円買い

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