昔は激務で有名だった金融業界も、近年の働き方改革の影響もあり、徐々にホワイト化しています。
特に昔からホワイトだと評判だったのは地方銀行ですが、実際にホワイトなのでしょうか。
この記事では、地方銀行がホワイトなのか激務なのか、そして地方銀行に向いている人についてお伝えしていきます。
先に結論
- 地方銀行は総じてホワイト寄り。横浜銀行の公表値では平均残業 月11.3時間・有給15.3日(2024年度)
- 年収は主要地銀で平均680〜860万円(2026年3月期有報・銀行単体)。世帯所得の中央値451万円(厚労省2025年国民生活基礎調査)と比べれば高水準
- 激務になるのは本店法人・事業再生・システムなど一部の部署と、金利上昇局面で案件が増えた法人部門
- 「地銀はやめとけ」の根拠は再編・将来性不安。実際は2026年3月期に上場地銀が2期連続の最高益で、統合は「弱者連合」より「規模拡大」の色が濃い。行の選び方が重要
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地方銀行はホワイトなのか?
はじめに、地方銀行がホワイトかどうかについてお伝えします。
ホワイトな地銀が多い
ホワイトをどう定義するかにもよりますが、「残業時間が少ない(しっかり残業代が出る)」「有給・長期休暇の取得率が高い」「仕事に対して給料が見合っている」などの観点で評価すると、地方銀行はホワイトな企業が多いです。
例えば、地方銀行で最も売上高の多い横浜銀行については、行員より下記のような口コミが共有されています。
有給休暇を必ず取る日数が増え、1週間休暇、5日間連続休暇、スポット休暇の合計で14日間は必ず休暇を取得できることになった。本来であれば20日間取れて然るべきであるが、以前は11日だったことを考えれば少しずつ改善はしている。サービス残業については過去はかなり多かったが、今ではサービス残業ができない状態になっているため、1分単位で残業代がでる。
引用元:openwork|横浜銀行(2022年11月7日)
5連続休暇、一週間休暇、その他リフレッシュ休暇などは取得が奨励され、取得したか否かが管理表で管理される。金融庁に取得状況を報告する必要があるからなのか、取得していないと評価が悪くなる側面もあり、休みなく働くから偉いなどの昔ながらの考えは払拭されている。自宅への書類の持ち出しなどは厳しく制限されており、パソコンも基本的にログイン時間などは管理されていることから、サービス残業などはない。
引用元:openwork|横浜銀行(2022年3月16日)
業界のトップ企業が始めたことは他企業も追随する流れが日本企業の伝統ですから、他の地方銀行も同様に、「有給取得の推奨」「1分単位の残業代の付与」「休日出勤がない」とするところが多いです。
実際に静岡銀行や千葉銀行の口コミを見ても同様の記載が多いため、地方銀行の多くはホワイトだと認識しても良いでしょう。
有力地銀の平均年収やワークライフバランスについて解説している記事もあるので、併せてご参考ください。


年収は平均以上の地銀が多い
その企業文化がどんなに優しくても、給料が低かったら本当の意味でホワイトとは言えません。
そこで、主な地方銀行の平均年収を下記にまとめてみました。2026年3月期の有価証券報告書に記載されている平均年間給与(銀行単体)をベースに確認してみましょう。
| 銀行名 | 平均年間給与(2026年3月期・銀行単体) |
|---|---|
| 横浜銀行 | 約860.6万円 |
| 常陽銀行 | 約847.3万円 |
| 千葉銀行 | 約837.0万円 |
| 群馬銀行 | 約819.8万円 |
| 静岡銀行 | 約812.5万円 |
| きらぼし銀行 | 約793.3万円 |
| 福岡銀行 | 約774.7万円 |
| 足利銀行 | 約772.3万円 |
| 北洋銀行 | 約740.0万円 |
| 肥後銀行 | 約726.2万円 |
| 武蔵野銀行 | 約707.9万円 |
| 関西みらい銀行 | 約701.6万円 |
| 西日本シティ銀行 | 約687.8万円 |
| 鹿児島銀行 | 約679.9万円 |
上記の年収水準をみて高いかどうかを判断するのは個人の価値観によりますが、少なくとも1世帯当たり所得の中央値である451万円(参考:厚生労働省「2025年 国民生活基礎調査」、2024年の所得。個人年収ではなく世帯所得の値です)は大きく超えているので、十分高いと言えるのではないでしょうか。
地方銀行は労働環境がホワイトであるだけでなく、待遇も総じて良いケースが多いので、真のホワイト企業だと言えるでしょう。

残業時間は多くない
既述の口コミのとおり、地方銀行をはじめとする金融機関では、残業時間の削減を推奨しています。
筆者は証券会社出身ですが、上司の評価項目の一つとして部下の残業時間や有給取得率が設定されていたので、職場の雰囲気として本気で残業させないオーラがでています(笑)
所属部店にもよるが、近年はどの部店も時間外削減意識が強くなっている。繁忙期には月に50時間程度残業することもあるが、基本的に月30時間以内が多い。男性にも育児休暇取得を励行しており、また半期中で定時退行を促す施策もあり半ば強制的に帰らなければならない日もあるため、以前に比べるとプライベートの時間は格段に確保しやすくなった。
引用元:openwork|千葉銀行(2022年8月23日)
週に2回早帰り日が設けられていて、17時30分までに帰ることができます。残業時間を減らすことを目標にしているため、わたしのいる部署では残業時間は10時間以内であることがほとんどです。休暇も制度化されている休暇は比較的取りやすいです
引用元:openwork|常陽銀行(2020年10月25日)
口コミだけでなく、実態としての残業時間を採用サイトで公表する地銀は増えているため、本当に残業時間が少ないことが伺えます。
公表値で見る残業時間(2024年度)
- 横浜銀行:平均残業 11.3時間/月、年間有給取得15.3日、男性育休取得率100%(横浜銀行 採用サイト「数字で見る」)
- 口コミ集計(参考):静岡銀行 23.2時間/有給64.2%、福岡銀行 21.4時間/76.8%(口コミサイト集計値)
- 公式値を公表している行は限られるため、志望行の採用サイト「数字で見る」ページと口コミの両方を確認するのがおすすめです
地方銀行でも激務になるケース
ホワイト有名な地方銀行ですが、すべての部門部署でホワイトであるとは限りません。
激務になってしまうケースがいくつかあるので、代表的な2つのケースをお伝えします。
本店の法人営業部
地方銀行には数多くの部門部署がありますが、花形と言われるのが本店の法人営業部です。
本店法人営業部では、その銀行の中でもトップクラスに預かり金額の大きい顧客を担当することになります。地元も上場企業、有力中小企業、学校法人や宗教法人などですね。
このようなビッグクライアントを担当すると、業務に追われる時間は他の部署より増えますし、関係構築のための飲み会やゴルフなどの接待も発生します。平日夜中や土日でもクライアントにお付き合いことも少なくないのです。
本店法人営業部は銀行の出世コースではありますが、それゆえプライベートを多少犠牲にする覚悟が必要かもしれません。
顧客との距離が近い場合
地方銀行のなかでも、比較的人口が少ない地域での店舗営業の場合、顧客との距離感が近いケースが多いです。
しっかりリレーションが構築できているため仕事がしやすいことは間違いないでしょうが、距離感の近さ故、飲み会や行事があるとどうしても断りづらい雰囲気があります。
地域柄もあると思いますが、九州・沖縄地域はお酒好きな方が多い印象なので、同地域に基盤を置く地方銀行、特に店舗営業の場合は、激務になってしまうかもしれませんね。
支店によるが土日祝に地域行事に参加しなければいけないことがよくある。配属地域によって地域行事参加頻度の差は大きい。また企業係となると、休日でも社長から電話が来たり飲みに行ったりと接待がある。
引用元:openwork|沖縄銀行(2018年11月17日)
九州・沖縄地域に基盤を置く地方銀行について解説している記事もあるので、併せてご参考ください。

2026年に忙しくなっている部署
- 法人・事業再生:倒産件数の増加とスポンサー型再生の増加で、地銀は事業再生人材の確保を急いでいます(ニッキン 2025年4月)。本店法人・審査・再生支援は案件が増える局面です
- 金利上昇で動く部署:2026年3月期の上場地銀は連結純利益1兆7,118億円(前期比37%増)で2期連続最高益(日経 2026年5月)。利ざや改善で収益は上向く一方、預金金利・貸出金利の見直し対応で法人・個人の両営業が忙しくなっています
- DX・システム:横浜銀行が新卒にデジタル戦略/データサイエンス/ITコースを設けるなど、各行がデジタル人材を増員中。立ち上げ期の部署は業務量が読みにくい傾向です
- 逆に、支店の一般的な個人営業・窓口は前述のとおり残業抑制が効いており、「地銀=激務」は部署でかなり違います
「地方銀行はやめとけ」と言われる理由と実際
「やめとけ」の根拠
- 再編・統合が加速:2025年1月に愛知銀行+中京銀行→あいち銀行、青森銀行+みちのく銀行→青森みちのく銀行が誕生。2025年4月に第四北越FGと群馬銀行が統合合意(2027年4月目途)、2026年3月にしずおかFGと名古屋銀行が基本合意(2028年4月目標)、2026年5月にあいちFGと三十三FGが基本合意(大和総研 2026年5月)。金融庁も2025年12月に「地域金融力強化プラン」を公表
- 人口減少・地域経済の縮小、ネット銀行との競争、給与カーブが緩やか、といった構造要因
実際
- 業績は好調:上場地銀の2026年3月期は2期連続最高益、2027年3月期も約1.9兆円(11%増)見込み(日経)。金利上昇は地銀の収益にプラス
- 統合は「弱者連合」より「規模拡大・システム統合」の色が濃く、統合後の処遇は上位行に寄せる例が多いと言われます
- 中途採用は5割増(地銀30行、日経2025年2月)、内定辞退者に「転職優先パス」を出す行も(日経2026年5月)— 働き手を集めるために処遇・働き方を改善する局面です
- 結論:「地銀全体がダメ」ではなく、行の選び方(業績・統合の見通し・処遇)で結果が大きく変わります。各行の分析記事で数字を確認してください(→ 横浜銀行・千葉銀行・静岡銀行・福岡銀行・常陽銀行)
地方銀行が向いている人
これまで地方銀行がホワイト理由と、激務になるケースをお伝えしました。
これまでの内容を踏まえた上で、地方銀行が向いている人・向いていない人の特徴を見ていきましょう。
【地方銀行が向いている人】
- 数字を扱う仕事が好きな人
- 加点方式より減点方式の方が得意な人
- 地域コミュニティでの関係構築が得意な人
数字を扱う仕事が好きな人
銀行では、常に数字を扱う仕事を行っています。
融資の審査業務であったり、窓口での為替業務、金融商品の営業でも常に数字を扱います。複雑な計算を暗算できるレベルまでは要求されませんが、それでもある程度の数学のセンスは必要です。
数字を扱う仕事が好きな人は、地方銀行をはじめとする金融業界に向いていると言えるでしょう。
加点方式より減点方式の方が得意な人
加点方式より減点方式の評価の方が得意な人は、地方銀行に向いています。
地方銀行では新規開拓営業も行いますが、営業先の多くは既存取引先です。いわゆるルート営業がほとんどなのです。
そのため、新しく取引先を見つけてくることも評価の対象にはなりますが、それよりも今の取引を減らさないことだったり、手続きミスを起こさないことが重要となってきます。
減点方式による評価の方が得意な人は、地方銀行で評価されやすいと言えるでしょう。
地域コミュニティでの関係構築が得意な人
地方銀行の特徴としては、地域密接型の営業を行っているため、地域コミュニティが強いことが挙げられます。
町内会や地元企業主催のスポーツ大会など、地域コミュニティがかかわるイベントは数多く実施されています。
地方銀行員はこのような地域イベントに参加することが要求されるため、地域コミュニティでの関係構築が得意な人は地方銀行が向いていると言えるでしょう。
地方銀行トップ10行について解説している記事もあるので、併せてご参考ください。

地方銀行が向いていない人
反対に、地方銀行が向いていない人についても見ていきます。
【地方銀行が向いていない人】
- 数字に大雑把な人
- コミュニケーション能力が低い人
- 地域愛が全くない人
数字に大雑把な人
数字に大雑把な人は金融業務に向いていません。
「なんで日経平均株価を1円単位までお伝えしないといけなんだよ…」「金利の計算なんて概算で良いじゃんかよ…」と思う方は、上司から愛の拳をくらう可能性が高いです(筆者は大雑把だったので新卒時代はサンドバックにされてました)
徐々に慣れていく人がほとんどですが、どうしても細かい計算が苦手な人は、銀行業務に耐えられない可能性があるので向いていません。
コミュニケーション能力が低い人
地方銀行の業務では、社内外で数多くの人と関わります。
融資の稟議をお願いする際の上席、お客様にご提案する資料を作成する事務員や、大型提案の際に連携する本部スタッフなど、社内との関りは非常に多いです。
また、社外では地域コミュニティやお客様との関りが深いのは地銀であるため、社外関係も良好に保つ必要があります。
コミュニケーション能力(渉外能力)が高いほど、地方銀行では出世しやすいと言えるでしょう。
地域愛が全くない人
地域愛が全く持てないひとは、地域との関係構築がどうしても苦痛に感じてしまうでしょうから、地方銀行に向いていません。
地元より愛情を注げと言われても難しいかもしれませんが、少なくとも「ここが私のアナザースカイ」と言えるレベルにはその地域を愛する必要があるでしょう。
地方銀行は地域住民があってはじめて成り立つビジネスですから、地域愛がないと仕事へのやりがいも感じなくなってしまうでしょう。
「向いていない人」に当てはまった場合
本文で触れたとおり、地方銀行の働き方には向き不向きがあると言われます。合わないと感じたまま続けるより、他の選択肢を並べて比べたほうが判断しやすくなります。
地銀からの転職では、金融業界に特化したエージェントのほうが話が早いと言われます。支店の職種や評価制度、出向の慣行を説明せずに済むためです。
- 向いている人:地銀に在籍中で、働き方や評価に納得できていない/自分の市場価値を知りたい
- 向いていない人:まだ入行前の就活生/金融以外の業界に移ると決めている
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よくある質問
Q. 地方銀行の残業は月何時間?
公表値では横浜銀行が月11.3時間(2024年度)。口コミ集計では20時間前後の行もあり、支店の個人営業は少なめ、本店法人・事業再生・システムは多め、という傾向です。
Q. 地方銀行の年収は低い?
主要地銀の平均年間給与は約680〜860万円(2026年3月期有報・銀行単体)で、上位行は800万円台。世帯所得の中央値451万円(厚労省)と比べれば高い水準です。
Q. 地方銀行は将来性がない?
再編・統合は続きますが、2026年3月期は2期連続最高益で業績は好調です。行ごとの差が大きいので、業績・統合見通しで選ぶことが重要です。
Q. 地方銀行に向いている人は?
数字に正確、減点方式に強い、地域での関係構築が得意な人です。学歴・出世の話は 地銀の学歴とエリートコース を参照してください。
まとめ
ここまで地方銀行がホワイトか激務か、そして地方銀行が向いている人と向いていない人についてお伝えしました。
地方人口の減少やマイナス金利政策など、地方銀行には向かい風が吹いている状況です。
その一方で、積極的にDX化をしたり、人材紹介や経営コンサルなど幅広いビジネスにリーチを広げたりなど、生産性の向上に努めている地銀もあります。
地方銀行のやばさ、新しいビジネスについて解説している記事もあるので、併せてご参考ください。

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