【業界分析】大手デベロッパーの特徴と平均年収ランキングを解説

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大手デベロッパーの特徴と平均年収
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年収が高く就活生からの人気の高いデベロッパー業界。大手デベロッパーは各社同じような事業を展開しているため、各社の特徴を把握しづらいでしょう。

そこでこの記事では、大手デベロッパー6社の特徴と平均年収ランキングを解説します。

デベロッパー業界に興味のある方は是非ご参考ください。

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目次

デベロッパーとは

デベロッパーはもともと英語の”developer(開発者)”が由来であり、就活市場や不動産業界では、不動産の土地開発から販売、運営まで行う業態を指します。

デベロッパーのリーディングカンパニーである三井不動産の新卒採用サイトでは、デベロッパーを次のように定義しています。

不動産ビジネスには様々な領域があります。その中で、「企画(用地取得)」「事業(商品企画・事業推進)」「営業(テナントリーシング)」「運営(施設運営・管理)」を中心に手がけるのが私たちデベロッパー。「この街に求められていることは何か?」「人がいきいきと働けるオフィスビルとは?」「多くの人が訪れ、一日中楽しめる商業施設とは?」など、様々なテーマに対する答えを1から発想し、関係者と協力して実現。完成後も発展させ続けていきます。

引用元:三井不動産|総合デベロッパーって、何をするんですか?

また、デベロッパーは扱う領域によって専門デベロッパーと総合デベロッパーの2種類があり、次のように定義されています。

専門デベロッパー「マンションのみ」「オフィスビルのみ」など、特定の分野を扱う
総合デベロッパー居住用から商業用までさまざまな分野を扱う

この記事で解説するのは総合デベロッパーであり、大型マンション、オフィスビル、ショッピングモール、ホテルなど、私たちの暮らしに関わる幅広い分野の不動産を手掛けている業態なのです。

不動産仲介会社との違い

デベロッパーは不動産会社と認識されていることが多く、私たちが引越しの際に利用する不動産仲介会社(アパマンショップ、エイブルなど)とよく混同されます。しかし、両者の仕事内容は明確に異なります。

不動産仲介会社は物件を貸したい人・借りたい人に焦点を当てる「不動産の賃貸借」に特化しているのに対し、デベロッパーはより大局的な「街をどう発展させるか」という視点から、地域の企画開発から物件の運営まで行います。

ゼネコンとの違い

デベロッパーがよく混同される業態として、ゼネコンも挙げられます。

ゼネコンは建築工事に特化している業態です。デベロッパーが企画した物件を建築するための「予算の見積もり」「建築工事の進行」「建物の設計」をゼネコンが行います。

例えば、三井不動産の肝入りプロジェクトである「パークタワー勝どきミッド/サウス」の建設を担当するのは大手ゼネコンの鹿島建設と清水建設です。

出典:三井のすまい|【公式】パークタワー勝どきミッド/サウス

このように、デベロッパーが建物の建設工事の発注側で、ゼネコンが受注側なのです。

大手デベロッパーの特徴

デベロッパーについて理解できたところで、大手デベロッパー6社の特徴についてみていきましょう。

今回扱う総合デベロッパーは次の6社です。

【大手デベロッパー】

  • 三井不動産
  • 三菱地所の特徴
  • ヒューリックの特徴
  • 野村不動産の特徴
  • 住友不動産の特徴
  • 東急不動産の特徴

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三井不動産の特徴

会社名三井不動産株式会社
代表者菰田 正信(代表取締役社長)
所在地東京都中央区日本橋室町2丁目1番1号
社員数1,898名(2022年3月)
会社HPhttps://www.mitsuifudosan.co.jp/

デベロッパー業界最大手の三井不動産は、人気マンションブランドであるパークシリーズ、国内屈指のショッピングエリアの東京ミッドタウンやララポート、そして数々のオフィスビルを手がけています。

“ヒトの三井”と言われるだけあり、少数精鋭で大規模なプロジェクトを担当することが多く、政府と連携して都市開発に携わったり、ショッピングモールのテナント誘致では2,400を超える小売店と関わったりと、幅広いコネクションを有しています。

また、デベロッパーのなかでも海外事業が強いことこ特徴であり、収益のおよそ10%は海外事業が占めています。三菱地所を除く他のデベロッパーは海外収益がほとんどない会社ばかりです。

三井不動産の海外事業の収益力
出店:三井不動産|2022年3月期決算説明資料

三井不動産の詳しい「事業内容」「強みと弱み」「平均年収」などについては下記の記事をご参考ください。

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三菱地所の特徴

会社名三菱地所株式会社
代表者吉田 淳一(代表取締役社長)
所在地東京都千代田区大手町1-1-1 大手町パークビル
社員数974名(2022年3月)
会社HPhttps://www.mec.co.jp/

三菱地所の特徴としては、やはり丸の内エリアでの圧倒的なプレゼンスと、ロックフェラーグループをはじめとした北米事業の強さでしょう。

日本屈指のビジネスエリアである丸の内では三菱地所は敵なしであり、賃貸用物件のおよそ半分が丸の内エリアに収束しています。

三菱地所の丸の内エリアの収益力
出典:三菱地所|2022年3月期IR説明資料

また、海外事業も定評であり、東南アジアに積極展開しておる三井不動産に対して、ロックフェラーをはじめとした有力不動産会社がグループにいることで、北米地域でも高いプレゼンスを誇っています。

そのため、同社はデベロッパーのなかでも海外事業の収益力が高く、営業利益ベースでおよそ20%を海外事業が稼いでいるのです。

三菱地所の詳しい「事業内容」「強みと弱み」「平均年収」などについては下記の記事をご参考ください。

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ヒューリックの特徴

会社名ヒューリック株式会社
代表者前田 隆也(代表取締役社長)
所在地東京都中央区日本橋大伝馬町7番3号
社員数189名(2021年12月)
会社HPhttps://www.hulic.co.jp/

平均年収ランキングでも常にトップクラスにいるヒューリックは、みずほ系列のオフィス特化型デベロッパーです。

居住用不動産を手掛けていないですが、オフィスビジネスで圧倒的な存在感を示しており、デベロッパー業界でも抜群の収益性を誇っています。

ヒューリックの特徴としては、やはり圧倒的な収益性の高さと都心5区への集中度合いです。

ヒューリックは2008年の東証一部上場以来、経常利益ベースで最高益を更新し続けています。社員1名あたりの収益性も高く、経常利益ベースで社員1名が年間5億円以上生み出しています。そりゃ平均年収も高くなりますよね。

また、ヒューリックが手掛けるオフィスビルは、半数以上が千代田区・中央区・港区・新宿区・渋谷区の都心5区に存在しており、最寄りから徒歩3分という駅近物件がほとんどです。

ヒューリックの都心への集中度
出典:ヒューリック|2021年12月期 決算説明資料

経済力のある地域で高い家賃が取れる立地にオフィスを提供することで、高い家賃収入と売却益をたたき出しています。

ヒューリックの詳しい「事業内容」「強みと弱み」「平均年収」などについては下記の記事をご参考ください。

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野村不動産の特徴

会社名野村不動産株式会社
代表者松尾 大作(代表取締役社長)
所在地東京都新宿区西新宿1丁目26番2号
社員数1,828名(2022年4月)
会社HPhttps://www.nomura-re.co.jp/

最大手証券会社の野村證券をグループに持つ野村不動産は、居住用マンションの人気とマーケットイン発想による開発力が強みのデベロッパーです。

野村不動産が誇る高級住宅ブランドである「PROUD(プラウド)」は、東京・大阪の主要都市地域をはじめ全国的に展開されており、販売されれば即完売する人気ぶりです。時代と街を象徴するマンションとしては、高い機能性とデザイン性を誇っています。

また、野村不動産といえば居住用不動産のイメージでしたが、近年はマーケットの需要から不動産を開発するマーケットイン発想より、ハイグレードオフィスビルのPMOが生まれてオフィス向け不動産にも強くなっています。

野村不動産の詳しい「事業内容」「強みと弱み」「平均年収」などについては下記の記事をご参考ください。

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住友不動産の特徴

住友不動産の特徴は、不動産の供給量の多さと、特定地域に限定されないビジネスエリアです。

「シティタワー」や「ラトゥール」シリーズなどの高級マンションの供給戸数は約9,000にも上り、デベロッパーのなかでもトップクラスです。

オフィスビルも230棟展開しており、法人に貸し出すことで安定的な賃貸収入を得ることができます。2021年度の営業利益2,192億円のうち、71%の1,552億円は賃貸ビジネスが稼いでいます。

また、三菱地所は丸の内エリア、東急不動産は渋谷エリアなどを強みとしていますが、住友不動産は東京23区全体を広くカバーしています。仮に特定のエリアの経済が下向いても、影響を受けづらいポートフォリオなのです。

住友不動産の詳しい「事業内容」「強みと弱み」「平均年収」などについては下記の記事をご参考ください。

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東急不動産の特徴

東急不動産の特徴としては、事業ポートフォリオのバランスの良さと渋谷エリアでの高いプレゼンスが挙げられます。

東急不動産は住宅、オフィスビル、流通事業などデベロッパーとして幅広い事業を展開していますが、売上高ベースではバランスよく各事業が機能していることがわかります。仮に一つの分野が衰えても、他の分野がカバーできるのです。

東急不動産の事業ポートフォリオ
出典:東急不動産|統合報告書2022

また、再開発が進んでいる渋谷エリアでは数多くのオフィスビルを展開しており、「東急プラザ」は渋谷のシンボル的な商業施設として強い人気を誇っています。

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デベロッパーの平均年収ランキング

次に、2022年度の有価証券報告書を参考に、大手デベロッパー6社の平均年収ランキングをお伝えします。

平均年収(万円)平均勤続年数(年)平均年齢(歳)
ヒューリック1,8036.239.6
三井不動産1,27311.140.4
三菱地所1,26417.442.8
東急不動産1,05715.643.4
野村不動産1,01713.942.0
住友不動産6678.3943.20
引用元:各社の有価証券報告書(2022年)

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1位.ヒューリック(平均年収1,803万円)

【ヒューリックの平均年収】

  • 平均年収18,032,877円
  • 平均勤続年数:6.2年
  • 平均年齢:39.6歳

引用元:ヒューリック|有価証券報告書2022

ヒューリックの平均年収は1,803万円であり、デベロッパーのなかでも頭抜けて高い水準です。

全企業内での平均年収ランキングで例年TOP5にランクインしているので、さすが社員の1名あたりの生産性が最も高いと言われるだけありますね。

2位.三井不動産(平均年収1,273万円)

【三井不動産の平均年収】

  • 平均年収12,738,000円
  • 平均勤続年数:11.1年
  • 平均年齢:40.4歳

引用元:三井不動産|有価証券報告書2022

三井不動産の平均年収は1,273万円であり、大台の1,000万円は余裕で超えてきますね。

ヒューリックがぶっ飛んで高いだけで、三井不動産も平均年収高い企業ランキングでTOP10位にはランクインしています。

3位.三菱地所(平均年収1,264万円)

【三菱地所の平均年収】

  • 平均年収12,647,559円
  • 平均勤続年数:17年4か月
  • 平均年齢:42歳8か月

引用元:三菱地所|有価証券報告書2022

三菱地所の平均年収は1,264万円であり、2位の三井不動産とほぼ同じ金額です。

三井不動産と三菱地所は毎年同じ水準の年収であるため、順位としては入れ替わることがあります(今年はあまりに近似値であるため、口裏合わせしたのかな…笑)

4位.東急不動産(平均年収1,057万円)

【東急不動産の平均年収】

  • 平均年収10,579,000円
  • 平均勤続年数:15.6年
  • 平均年齢:43.4歳

引用元:東急不動産|有価証券報告書2022

東急不動産の平均年収1,057万円です。他の大手デベロッパーと比較すると少しネームバリューが劣る印象がありますが、それでも大台の1,000万円を超えてきます。

収益力に対しては平均年収が高い印象があるので、今後は大幅な上昇が期待できないかもしれません。一方で渋谷エリアでのビジネスが拡大すれば、より高い水準の年収が期待できるでしょう。

5位.野村不動産(平均年収1,017万円)

【野村不動産の平均年収】

  • 平均年収10,177,382円
  • 平均勤続年数:13.9年
  • 平均年齢:42.0歳

引用元:野村不動産|有価証券報告書2022

野村不動産の平均年収は1,017万円であり、グループ会社の野村證券と同じように日本トップクラスの平均年収を誇っています。

野村不動産は高級マンションブランドの「PROUD(プラウド)」やハイグレードオフィスビルの「PMO」が成功しているので、もっと社員に還元してもよい気はしますね。それでも十分高い水準ですが(笑)

6位.住友不動産(平均年収667万円)

【住友不動産の平均年収】

  • 平均年収6,674,625円
  • 平均勤続年数:8.39年
  • 平均年齢:43.20歳

引用元:住友不動産|有価証券報告書2022

住友不動産の平均年収667万円です。総合デベロッパーとして1,000万円を下回るのは住友不動産のみであり、社員数が他社より圧倒的に多いため平均年収が押し下げられています。

賃貸ビジネスをはじめとした同社の収益力はデベロッパーでもトップクラスなので、社員数の見直しが実行されれば平均年収が押し上げられる可能性があります。

まとめ

今回は総合デベロッパー各社の特徴と平均年収ランキングをお伝えしました。

各社で得意とする領域が異なるため、一括りにデベロッパーと言っても強みとする事業や地域が異なります。デベロッパーへの就職・転職を考えている方は注意しましょう。

デベロッパーへの転職を考えている方は、転職サービスの「ミイダス」がおすすめです。

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