IFAの働き方を徹底比較|正社員・業務委託・独立のメリデメと業務委託IFA3名の本音

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現役IFAにインタビュー(働き方・年収・副業)

証券会社から独立してIFAになる人が増えていますが、「業務委託と正社員はどう違う?」「実際どんな働き方をしている?」「移籍や独立はどう進める?」といった働き方の実態を発信している媒体はまだ多くありません。

この記事では、元証券マンで、IFA業界の動向にも詳しい筆者が、IFAの3つの働き方(業務委託・正社員・独立)を比較したうえで、業務委託IFA3名へのインタビュー、業務委託でのIFA法人の選び方、正社員IFAのメリット・デメリット、IFA法人の移籍、法人設立の流れ、そして「業務委託IFAは廃止される?」という制度動向まで、働き方に関する情報を1本にまとめました。

先に結論

  • 業務委託:バック率50〜70%程度で還元率が高く自由。固定給なし・在籍料がかかる法人も
  • 正社員:固定給・社会保険・事務サポートがある代わりに還元率は低め(バック率換算15〜35%程度が目安)
  • 独立(法人設立):報酬を丸ごと受け取れるが、証券営業経験者+内部管理責任者が必要で登録に時間がかかる
  • インタビュー3名は年収2,400万〜5,000万円前後(IFA報酬+副業)。働き方・提案商品・副業のスタイルはバラバラで、正解は一つではない
  • 法人選びは「バック率重視」か「サポート重視」かをまず決める。移籍・独立という選択肢もある
目次

IFAの3つの働き方を比較

業務委託(専業・副業)正社員独立(IFA法人設立)
契約IFA法人と業務委託契約(個人事業主)IFA法人と雇用契約自社で金融商品仲介業者登録
報酬手数料の50〜70%程度(バック率)固定給+インセンティブ(バック率換算15〜35%程度)証券会社からの報酬を法人で受領
安定性低い(成果ゼロなら収入ゼロ)高い(固定給・社会保険)法人経営次第
自由度高い(出社義務は法人次第)会社ルールに従う(出社・目標がある場合も)最も高い
向いている人実力に自信がある/収入がモチベーション/副業・起業志向安定を確保しつつIFA業務をしたい/マネジメント志向証券営業経験+管理体制を用意できる

業務委託IFA3名のインタビュー(報酬・働き方・副業)

業務委託契約で活動している3名のIFAに、報酬・働き方・副業について伺いました(インタビュー時点の内容です)。

1. 高いバック率で年収4,000万円を実現したKさん

所属先大手IFA法人
出身会社SMBC日興証券
働き方週3回出社
バック率68%
副業していない

預かり資産・提案商品

業界トップクラスのバック率のIFA法人に所属しています。お客様は主に前職の証券会社から引き継いでおり、預かり資産は20億円ほど。提案は米国株と仕組債が多く、投資信託が少し、という構成です。

手数料・年収

IFAの平均的なお客様負担率が5%程度と言われるなか、私は3%程度を目指しています。20億円の3%で6,000万円、そこにバック率を適用して年収ベースで4,000万円強という計算です。

業務時間・出社

他の業務委託IFAより働いていると思います。営業活動は週3日、1日6時間前後を外交や会食に充て、他はリサーチや資料作成。週35時間ほどです。今はお客様からの紹介がない限り新規開拓はしていません。お客様1名に割ける時間を減らしたくないからです。オンオフの区別をつけたいので、ある程度時間を決めて働いています。

今の働き方について

証券会社時代よりやや少ない時間で、提案の自由度が高くなり、リサーチの質が圧倒的に改善し、何より好きなお客様をずっと担当できる。今の働き方に満足しています。

2. 紹介基盤を強化して預かり資産50億円を築いたHさん

所属先老舗IFA法人
出身会社大和証券
働き方週1回出社
バック率50%
副業代理営業、不動産投資

預かり資産・提案商品

IFAになって3年ほど。前職の知り合いの誘いでIFAになり、当時のお客様を引き継いで預かり資産15億円弱・20名ほどでスタートしました。他のIFAの話を聞くと恵まれていたと思います。中長期目線の提案が好きなので主に投資信託を提案しています。仕組債は一度大きくご迷惑をおかけしてから控えるようになりました。

手数料・年収

IFAでの年収が3,500万円前後、副業の年収が1,500万円前後で合計5,000万円ほど。預かり資産に対して年収は少ない方だと思います。税理士さんや不動産会社さんからご紹介いただくケースが多いので、頻回な売買はできません。中長期運用に傾注し、適切なタイミングで見直す程度です。今の形が一番ストレスフリーで、お客様と良い関係を築けています。

業務時間・副業

IFA業務は1日2〜3時間、週10時間ちょっと。副業として不動産投資(一棟)と、お客様の商品・サービスの代理営業やビジネスマッチングを行っています。代理営業を通じてお客様の本業を現場レベルで理解でき、法人保険や事業承継の相談、税理士など協業先との連携、協業先からの紹介…というサイクルが回るので案件が尽きません。

今の働き方について

天職とすら思っています。仕事中心の生活をしたい人にも、家庭と両立したい人にも向いていると思います。知り合いのママさんIFAは大手証券会社の管理職以上に稼いでいます。出産・育児を予定している女性には、働き方に柔軟さを持たせやすい業務委託をおすすめしたいです。

3. セミナーに特化したことが起爆剤になったNさん

所属先大手IFA法人
出身会社東海東京証券
働き方週2回出社
バック率60%
副業塾経営

預かり資産・提案商品

IFAになって2年ほどで預かり資産は12億円ほど。投資信託と仕組債が多く、法人保険や不動産仲介も時々提案しています。所属法人はセミナー開催と集客のノウハウがあり、代表の提案でセミナー講師を務めるようになってから預けていただく資産が増え、社内では「セミナーIFA」と呼ばれています(笑)。

手数料・年収

IFAとしての手数料は年4,000万円ほどで年収は2,400万円ほど。3か月に1度のペースで法人保険と不動産仲介の案件が決まるので、諸々含めると年収4,500万円ほど(ばらつきがあるので参考程度に)。法人向けのソリューション提案は士業との調整やこまめなやりとりが必要で、工数は少なくありません。

業務時間・副業

週2回出社し、セミナー準備や事務作業で6時間ほど会社にいます。外交は週6〜9時間で、証券会社時代の3/5ぐらいの業務時間。ワークライフバランスは最高です。セミナー講師をきっかけに「教える」ことを追求し、塾経営も始めました(管理や講師は別の者に委任)。

今の働き方について

報酬体系や時間の自由もそうですが、何より頭を使えば使うだけ効果が出ること、工夫する余地があることが、IFAという働き方が好きな理由です。金融機関ではコンタクト方法から提案に費やせる時間まで規制されていて、自分の想像力・工夫が効く余地が小さかった。IFAにおける自由とは、この工夫できる自由さだと思います。

業務委託でIFAを始めるときのIFA法人の選び方

業務委託IFAは固定給のない完全実力主義です。相場が悪かったり顧客獲得に苦戦したりすれば、前職より収入が下がる可能性は当然あります。だからこそ、条件の良いIFA法人に在籍することが重要です。シンプルには次の2軸で考えると失敗しにくくなります。

  • バック率重視の場合 → バック率65%以上を目安に、在籍料の有無・金額を確認する
  • サポート重視の場合 → 顧客紹介と事務支援が充実していて、バック率50%以上の法人を選ぶ

バック率を重視する場合

バック率が高い法人は在籍料がかかる場合があります。在籍料とは、IFA法人に在籍しているだけで毎月IFAが負担するコストで、月2〜10万円程度に設定している法人が多いと言われます(正社員IFAにはかかりません)。自分の実力に自信がある、収入がモチベーションになる、副業や起業にも興味がある、という人はバック率を重視する傾向にあります。

サポートを重視する場合

セミナー開催やネット集客に費用がかかる、外部専門家からの顧客紹介に紹介マージンが発生する、バックオフィスが充実していて人件費がかかる——といった理由でバック率が低めに設定されている法人は、その分IFAに顧客を紹介したり営業に集中できる環境を用意していたりします。サポート重視でも、バック率が低い理由は必ず確認し、50%は一つの目安にしましょう。

正社員IFAという選択肢

最近では、IFA法人と雇用契約を結び、正社員としてIFA業務に携わる人も増えています。

正社員IFAのメリット

  • 固定給がある:前職と同等の固定給の場合と、固定給を低め(20〜35万円程度)にしてインセンティブ率を高くする場合がある。前者は年収800〜1,500万円、後者は年収400〜2,500万円程度のケースが多いと言われる
  • 管理職インセンティブがもらえる場合がある:配下のIFAのコミッションの数%などが、自身のプレイヤー報酬とは別に入る(例: IFA5名×月200万円×3%=月30万円)
  • ストックオプションがもらえる場合がある:上場やM&AでのEXIT時に価値が出る。ただし現時点で高い報酬を出せないことの裏返しでもある

正社員IFAのデメリット

  • 還元率が低い:バック率換算で15〜35%程度が目安。年収2,000万円超を目指すのは業務委託より難しい
  • 自由度が低い:週5出社や目標が課される場合がある。契約前に会社のルールを必ず確認
  • 会社の業績に依存する:数字を上げても見合った報酬にならない可能性。逆に不調時も一定の収入は期待できる

正社員IFAに転職する際の注意点

  • 今の会社の報酬・福利厚生としっかり比較する(大手証券・メガバンクの中堅以上は年収1,000万円超も多い)
  • 転職検討先のIFA法人について入念に調べる(開示義務はないので業界内の評判や現役IFAから情報収集)
  • 正社員でないといけない理由を明確にする:代表の理念に共感できるか/評価体系は明確か/報酬が業務委託より低くなってもよいか/営業ルールや賞与が業績に依存してもよいか/営業以外の業務が発生してもよいか

IFA法人を移籍するメリットとポイント

移籍するメリット

  • 条件が大幅に改善される場合がある:バック率50%→65%なら、手数料3,000万円/年の人は年収1,500万円→1,950万円
  • パフォーマンスを改善でき、顧客基盤を強化できる:同じ年収を目指すなら、バック率が高いほどお客様の手数料負担率を下げられる(預かり資産10億円・目標年収2,000万円なら、バック率50%で負担率4%、65%で3.15%)。負担が小さいほど運用成績は改善し、紹介にもつながる
  • 新しい同業者や協業先と情報交換できる:条件の良い法人ほど在籍人数が増えており、人が人を呼ぶ

移籍するときのポイント

  • まず今の法人に条件改善を交渉してみる:理由が条件だけなら、改善されれば移籍は不要。ただし代表の主観だけで決まる評価なら見直しを
  • 移籍先の代表者・採用責任者にも相談する:移籍を裏切りと捉える運営者も残念ながら存在する。信頼できる移籍先ほど移籍元との調整に協力してくれることがある
  • コンプライアンス違反を起こしての移籍は難しい:金融事故を起こした人を受け入れる法人はほとんどない

独立してIFA法人を立ち上げる場合

最初から法人としてIFAビジネスを始めたい場合の大まかな流れは次のとおりです。

  • Step1 証券会社との個別相談:IFA支援サービスを提供する証券会社(SBI証券・楽天証券など)と、なぜ始めるのか・立ち上げメンバーと資本金・顧客獲得や宣伝戦略を協議
  • Step2 必要書類の提出
  • Step3 金融商品仲介業の登録申請(財務局):証券営業経験者と内部管理責任者が必要。申請から登録まで時間がかかると言われる
  • Step4 導入研修
  • Step5 営業開始

証券会社側も「まず既存のIFA法人に所属して経験を積んでから独立」を推奨する傾向があります。独立を目指す人も、いったん法人に所属するルートが現実的です。

業務委託IFAは廃止される?(制度動向)

2022年頃、「業務委託型のIFAが廃止されるのでは」という話題が出ました。背景にあるのは、保険業界で2014年に金融庁が「委託型募集人の適正化」を要請し、フルコミッション型の委託型募集人が事実上廃止された流れです。同じ流れがIFAにも当てはまるのでは、という見方です。

以下は筆者の見方であり、あくまで参考程度にお読みください。

  • コンプライアンスの厳格化は進む可能性が高い(研修、録音、仕組債のKI判定アラートと記録化など)
  • 仮に業務委託が制限されれば、正社員化自身での法人設立が選択肢になる。正社員化ではバック率がやや下がる可能性はあるが、証券会社と比べれば高い歩合制で働き続けられる
  • 真っ当なIFAは契約形態にかかわらず活躍できる。お客様から見れば正社員か業務委託かはほとんど関係がない

結論として、業務委託型IFAが見直される可能性はゼロではないものの、現時点で過度に悩む必要はなく、どの形態でも成功できるよう顧客本位の営業を続けることが最善と考えています。最新の制度動向は金融庁・日本証券業協会の公表資料でご確認ください。

よくある質問

業務委託と正社員、どちらが稼げる?

還元率は業務委託が高く、上限も高い一方、固定給はありません。安定と上限のトレードオフです。

在籍料とは?

IFA法人に在籍しているだけで毎月発生するコストで、月2〜10万円程度の法人が多いと言われます。バック率が高い法人ほど設定されていることがあります。正社員にはかかりません。

IFA法人の移籍は簡単?

条件改善の交渉→移籍先への相談、の順で進めるのが定石です。コンプライアンス違反歴があると受け入れ先はほぼありません。

副業でIFAはできる?

業務委託(副業)という形態があります。詳しくは IFAは副業でできる? をご覧ください。

まとめ

IFAの働き方は業務委託・正社員・独立の3つに大別され、インタビューの3名が示すように、同じ業務委託でも提案商品・時間の使い方・副業のスタイルは人それぞれです。自分が何を重視するのか(バック率か、サポートか、安定か、自由か)を決めたうえで、法人選び・移籍・独立を検討してください。

IFA全体の理解には IFA転職完全ガイド、法人選びには IFA法人大手10社の比較、ネガティブ面の確認には IFAはつらい?儲からない?怪しい? もあわせてどうぞ。→ 証券会社に強い転職エージェント比較5選【2026年版】

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この記事を書いた人

元証券マン・元銀行員などの金融業界経験者と、転職メディア運営5年の編集担当(Sasaki)で構成。有価証券報告書などの一次情報にもとづき、金融業界のキャリア情報を発信しています。

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